2001年10月号
お客様訪問記

横浜市水道局西谷浄水場に採用された
電子アクチュエータ「サーボトップⅡ」

(株)エム・システム技研 東京営業部 システム技術グループ
 
 神奈川県横浜市の水道は、日本で最初の近代水道として1887年(明治20年)に創設され、今年で114年目を迎えます。この間、人口増加や都市化の進展に伴う水需要の増大に対応し、水道水を市民へ安定供給するため、水資源の開発をはじめ、浄水設備や給水設備などの拡充・整備を行ってきています。
 今月は、エム・システム技研製の“電子アクチュエータ サーボトップⅡ”(形式:PSN1)が採用された横浜市水道局の西谷浄水場を訪れ、浄水部浄水係長の石崎和義様と浄水係の仲田 譲様にお話を伺いました。
 [エム・システム技研、以下エムと略称]今回、ご採用いただいた“電子アクチュエータ サーボトップⅡ”は、どのような設備にお使いになっていますか。
 [石崎]横浜市では、浄水場が4箇所あります。その中で、西谷浄水場は1915年(大正4年)に築造された、歴史のある浄水場です。創設以来、拡張や改造が行われ、現在、1日あたり35万6千m3の処理能力があります。西谷浄水場で処理された水は、主に西区、中区、南区など、市の中心部一帯に供給されています。
 今回、薬品注入設備の更新にあたり、注入点の前に小出槽を設け、注入量を調節弁で制御する設備構成にしました(図3参照)。
 この設備で、凝集剤(PAC)の注入制御用に6台、次亜塩素酸ナトリウムの注入制御に8台の“サーボトップⅡ”を使用しています。
 [エム]ご採用いただいた理由は何ですか。
 [石崎]従来の凝集剤(PAC)注入設備では、空気圧式のバルブアクチュエータを使用していました。空気圧式では、圧縮空気を作り出すコンプレッサやエアータンクなどの付帯設備が必要で、設備費用だけでなく、メンテナンス作業も必要でした。次亜塩素酸ナトリウム注入設備はダイヤフラム式定量ポンプを使用していました。そこで、今回の設備更新を機会に、電子式のバルブアクチュエータを採用することにしました。
 [仲田]制御用の調節計(電子機器)が優れていても、最終的に注入量を決めているバルブとその駆動部の精度が悪ければ、意味がありません。バルブとその駆動部(アクチュエータ)は一体ものと考えられがちです。しかし、今回、機器選定にあたって、バルブと駆動部を含めた全体だけではなく、駆動部の性能についてもバルブメーカーに詳しく聞きました。その結果、今回採用したバルブは、その駆動部にエム・システム技研の電子式アクチュエータを採用していることを知りました。そこで、直接、エム・システム技研にお願いし、どの程度の性能が出せるのか、実機を動かしてもらい、自分の目で確認しました。その結果、期待していたとおりの分解能が得られることがわかり、採用を決めました。
 [エム]ご採用いただいた結果はいかがでしたか。
 [仲田]電子式アクチュエータの採用は初めてでしたが、期待どおりの制御ができました。“サーボトップⅡ”は、他社ではあまり見られないステッピングモータを使用していて、非常に高い精度が出ます。制御性の面では満足しています。
 また、ハンディコンソール(エム・システム技研製プログラミングユニット 形式:PU-2A)を用いて、“サーボトップⅡ”のゼロ、スパン調整など、各種の設定や調整が容易にできます。この、設定ツールも使い方に慣れると大変便利です。
 [石崎]今回、設備を更新した薬品注入設備は、非常に重要な設備です。停電などのトラブルがあっても、運転を止めることはできません。そのため、薬品用の小出槽を含め、薬品注入設備が二重化されていて、機器が故障してもすぐ対応できるようになっています。万一、電源供給が止まった場合でも、電子式の制御バルブは直前の状態が維持されるようになっています。現在までのところ、何のトラブルもなく運転しています。
 また、電子式にしたため、空気圧設備が不要になり、制御ループが電気計装だけで済みます。このため、全体設備が簡単になるばかりか、維持管理も楽になるなど、コストの低減にもなりました。
 [エム]お忙しいところ、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。   ■

本システムについての照会先:
 (株)エム・システム技研 東京営業部
 システム営業技術グループ
 TEL.045-451-6060 FAX.045-451-6180

サーボトップは、エム・システム技研の登録商標です。

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