2001年11月号

計装豆知識

LonWorksについて

 
 LonWorks技術は、米国ECHELON社によって開発されたインテリジェント分散型のネットワークシステムに関するものであり、ビルおよび工場のオートメーション、ホームコントロール、電気/ガスのモニタリングなど、世界中の広い分野で使われています。また、LonWorks技術は、オープンシステムとしてECHELON社がライセンスを無償許諾しているため、現在、5000社を超える多くのメーカーがLonWorks対応製品を開発し、市場に供給しています。そして、これらの製品の相互運用を円滑化するために、多くのスポンサー、パートナー企業が参加してLonMark Interoperability Associationが組織され、ガイドラインの制定や、検証システムの確立などに尽力しています。その結果、近年では、多くの業界でLonWorks技術が実用的なマルチベンダ環境として認められるようになってきました。

LonWorksの特徴
 LonWorksの特徴は分散型のネットワークシステムにあります。ネットワークにつながれたセンサやアクチュエータなどのノードは、それぞれにインテリジェンスを持ち、ネットワーク上の他のノードと通信を行ったり、独自に制御を行います。そのために、各ノードにはニューロンチップと呼ばれるインテリジェント素子が搭載され、制御プログラムが書き込まれています。図1に簡単なLonWorksの概念図を示します。図1において、たとえば電球はスイッチとの間で通信を行い、スイッチのON/OFFで点滅し、エアコンは温度計の情報に基づき電力調整を行います。
 LonWorksの通信プロトコルはLonTalkと呼ばれ、ISOのOSI(オープンシステム間相互接続)参照モデルによって、物理層からアプリケーション層まで定義されています。物理層対応としては、専用の各種トランシーバ(Lonチップ)が用意されています。代表的なトランシーバの種類を表1に示します。一般に、ビルオートメーションなどではトランシーバとしてFTT-10A が多く使われ、ツイストペアケーブルによる78kbpsのビットレートで通信を行っています。

LonWorksのシステム構成例
 図2に、最近のLonWorksを用いたシステム構成例を示します。図に示すように、下位の制御系にはLonTalkによるネットワークを使用し、情報系にはEthernet(TCP/IP)によるLANを使用します。監視・操作はイントラネットもしくはインターネット経由でパソコンのWebブラウザ画面から行います。
 このように、近年ではLonWorks技術と最新のWeb環境を利用(融合)したシステムが実現されています。

LonWorks対応製品
 現在、市場では各種センサ、アクチュエータ類をはじめとして、I/Oユニットやコントローラ類など、計装に必要なほとんどの要素に関するLonWorks対応製品が販売されています。LonWorks対応製品の一例として、エム・システム技研の電電ポジショナ(形式:MEXL)を図3に示します。MEXLを電動弁のモータアクチュエータの制御回路用に付加することにより、LonTalkのネットワークに直結して制御できる電動弁が実現します。 ■

【(株)エム・システム技研 商品統括部】
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