2002年2月号 | ||||||||||||||||
本質安全防爆・耐圧防爆形 HART通信対応
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(株)エム・システム技研 開発部長
藤 井 俊 樹 | ||||||||||||||||
(1)入力はユニバーサルであり、下記の種類に対応できます。 熱電対、測温抵抗体、直流電圧、ポテンショメータ、抵抗(詳細については、表2参照) (2)付属の液晶表示器を使って、入出力の各種設定が行えます。 設定可能項目は次のとおりです。 ①液晶表示器で設定する項目 (HART信号でも設定可能) ●入力センサの種類 ●導線の数 (測温抵抗体、抵抗入力の場合) ●入力レンジ ●出力信号(調整) ②HART信号で設定する項目 (①に挙げた項目も設定可能) ●リニアライザの設定 ●HART通信方式の選択 (バーストモード設定可能) ●HARTネットワークモードの設定 ポイント・ツー・ポイント マルチドロップ ●自己診断 (3)本質安全防爆に対応しています 注1)。 国際規格IEC 60079-10では、危険なガスなどが存在する確率に応じて、危険場所を下記のように分類しています。 ●ZONE 0:爆発性雰囲気が連続して、又は長時間存在する区域 ●ZONE 1:爆発性雰囲気がプラント等の正常運転時に生成するおそれのある区域 ●ZONE 2:爆発性雰囲気がプラント等の正常運転時に生成するおそれがなく、また仮に非正常時に生成するとしても、短時間しか存在しない区域 B6U/B6U-BはZONE 0の区域でも使用できます。 接続例としては、図2の上段をご参照ください。本質安全防爆に関する詳しい仕様については、3・(3)項をご参照ください。 (4)耐圧防爆に対応しています注1)(B6U-Bのみ)。 ●耐圧防爆とは、内部で爆発が発生しても、容器がそのエネルギーに耐え、かつそのとき生じる火炎のエネルギーを失わせることによって、容器外部の爆発性雰囲気に引火させない構造をいいます。 ●B6U-Bでは、本質安全防爆または耐圧防爆が選択できます。耐圧防爆の使用例を図2の下段に示します。ZONE 1の危険場所で使用できます。この場合、バリアは不要です。 なお、耐圧防爆に関する詳しい仕様については、3・(3)項をご参照ください。 (5)HART信号に対応しています注2)。 ●測定信号など直流(アナログ)信号DC4~20mAにデジタル信号を重畳させ、このデジタル信号でフィールド機器と携帯形通信ターミナル(HARTコミュニケータまたはHHC(Hand-Held Communicator)と呼ぶ)との通信を実現することにより、様々な情報のやりとりが可能になります。ここに重畳させるデジタル信号をHART信号といいます。 ●B6U/B6U-BとHHCの接続例を図2に示します。 B6U/B6U-Bのレンジの設定・変更、入力のモニタなどをHHCから行うことが可能です。HART信号によって設定できる項目については、2・(2)項に挙げています。 (6)その他 ●変換器本体は、周囲温度-40℃~85℃の範囲で使用可能です。なお、防爆等級により使用温度範囲は異なります。 ●優れた冷接点補償特性:±0.5℃以下(-5℃~+55℃の範囲で)
(2)2線式ユニバーサル入力変換器(形式:B6U-B)
(3)防爆規格 ●FM本質安全防爆(申請中) Class Ⅰ、 Division 1、Groups A、B、C and D、T4、T5、T6 Class Ⅱ、Division 1、Groups E、F and G、T4、T5、T6 Class Ⅲ、Division 1、T4、T5、T6(Class 3610) ●FM耐圧防爆(申請中、B6U-Bのみ) Class Ⅰ、 Division 1、Groups A、B、C and D、T4、T5、T6 Class Ⅱ、Division 1、Groups E、F and G、T4、T5、T6 Class Ⅲ、Division 1、T4、T5、T6(Class 3615) ●CENELEC本質安全防爆(申請中) EEx ia ⅡC、Zone 0、 T4、T5、T6(EN50020-1994) ●CENELEC耐圧防爆(申請中、B6U-Bのみ) EEx d、 Zone 1、 ⅡC、T4、T5、T6(EN50018 - 1994)
どうぞ、特徴をご理解のうえご活用ください。 ■ 注1)防爆に関する詳細は、本誌2000年3、4月号「計装豆知識」をご参照ください。 注2)HART信号に関する詳細は、本誌1998年11、12月号の「計装豆知識」をご参照ください。 |
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