2002年8月号

計装豆知識

ネットワークトポロジ

 
 「ネットワークトポロジ」とは、通信ネットワーク上にコンピュータや制御機器、および各種端末機器(以下、これらをすべて端末と総称します)がどのような形態で接続されるかを表す用語です。
 代表的なネットワークトポロジには、「スター型」、「バス型」、「リング型」などがあります。以下に、それぞれのトポロジについて簡単に説明します。

スター型(図1参照)
 スター型は1台の集線装置(ハブ)注1)にすべての端末を接続する形態で、Ethernetの10BASE-T注2)などに用いられているネットワークトポロジです。ハブから端末へケーブルが放射状に延びるように配線されるためにスター型と呼ばれ、現在、LANに最も多く使われているネットワークトポロジです。端末の追加や取外しに際してシステムを停止する必要がありません。また、ネットワーク上の一部に障害が発生しても、それがシステム全体に及ぶことがないという特長があります。ケーブルには、UTP(Unshielded Twist Pair cable)が使われます。UTPはやわらかいので、バス型に比べケーブルの引き回しが容易に行えます。

バス型(図2参照)
 バス型は、両端に終端装置を接続した1本の基幹回線にすべての端末を接続する形態で、Ethernetの10BASE2や10BASE5注2)などに用いられているネットワークトポロジです。
 データ伝送の信頼性が高いため、10BASE-Tなどの幹線LANとして、構内の縦配線に多く使われます。バス型は構造が単純で、ケーブルの総延長が短くて済みますが、同軸ケーブルを使用するため、ケーブルの引き回しは、UTPを利用するスター型に比べるとやや困難です。したがって、機器のレイアウトを変更するとき、再敷設工事が必要になる場合があります。また、ネットワークの一箇所に障害が出ると、それが全体に及ぶ場合があります。なお、10BASE2の場合、端末の追加、取外しごとにシステムを停止する必要があります(10BASE5はこの限りではありません)。

リング型(図3参照)
 リング型は各端末を環状に接続する形態で、トークンパッシング方式伝送制御を基礎とするネットワークトポロジです。代表的な例としてTokenRing注4)やFDDI注5)などがあります。
 トークンパッシング方式とは、ネットワーク上をトークンと呼ばれる送信権を与えるフレームが巡回していて、それを獲得したものだけが、データ送信を行うことができる伝送制御方式です。この伝送制御方式は、論理的にトークンが巡回していれば、どのような物理的ネットワークトポロジでも実現できます。たとえば物理的には、前項のバス型トポロジでもトークンパッシング方式を実現することができます(その場合は、とくにトークンパッシングバス方式と呼ばれることがあります)。
 リング型トポロジでは、ケーブルの一箇所に障害が起きるとシステム全体に障害が及びます。FDDIなどでは、対策としてケーブルを二重にして信頼性を高めています。 ■

注1)、注2)本誌2002年6月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注3) AUI(エーユーアイ)ケーブル:Ethernet LANで使われるケーブル。トランシーバケーブルとも呼ばれ、パソコンのトランシーバ(接続ユニット)とハブなどを接続するのに使われる。
注4)IBM社によって提唱され、IEEE 802.5委員会によって標準
化されたLAN規格。通信速度は4Mbpsまたは16Mbps。通信を行う機器を環状に接続したリング型のLANであり、ケーブルにはより対線(ツイストペアケーブル)を用いる。
注5)FDDI(Fiber Distributed Data Interface):光ファイバを伝送媒体に用いたネットワーク。伝送レートは100Mbps。通常は幹線LANに使用される。

【(株)エム・システム技研 商品統括部】
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