2002年9月号 | ||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | ||||||
抵抗/抵抗変換器 | ||||||
2002年6月号の本稿にて、お客様からの直接のご要望にお応えして開発した製品である超高耐圧絶縁変換器「オプト変換器(形式:OT/OR)」をご紹介しましたが、今回も、同様にお客様からのご要望により開発した、ユニークな変換器「抵抗/抵抗変換器(形式:M2RR)」をご紹介します。 あるお客様から、「外国製の製造装置を使用しているが、数十本取り付けられている温度センサとして、特殊なPt500Ωが採用されており、しかもこのセンサが頻繁に断線する。このセンサは国内では販売されていないため、定期的に外国のメーカーに発注する必要があり、その在庫費用も馬鹿にならない。製造装置はそのままで、センサは国内で手軽に調達できる標準のPt100Ωを使用することができないか?」とのご相談を受けました。そこで開発したのがM2RRです。 図1にその外観と仕様を、図2(a)にブロック図を、そして図2(b)に測温抵抗体に使用した場合の配線例を示します。M2RRは入力抵抗値Rinをn倍して出力します(ただしn≧1.2)。nは手配時にご指定ください。前述のお客様の場合、n=5としてPt100ΩをPt500Ωの信号に変換して受信計器に入力しています。使用上の注意点としては、M2RRの入力側は2線式になっていますから、入力抵抗値は測温抵抗体の抵抗値+配線抵抗となります。そのため、測温抵抗体の抵抗値変化に対して配線抵抗が無視できるように配線を短くする、または配線後M2RRのゼロ調整トリマで配線抵抗の補正を行うなどの配慮が必要です。 なお、M2RRは入力抵抗値を忠実にn倍にして出力するだけです。リニアライズ機能などは内蔵されていませんから、Pt測温体の抵抗値をNi測温体の抵抗値に変えるというような変換はできません。ご注意ください。 図3にお客様で採用された実例を示します。 最近ではPt1000Ωという測温抵抗体も多く使われるようになりました。前述の場合と逆になりますが、現場の測温抵抗体は従来のPt100Ωをそのまま使い、受信計器は新しいPt1000Ω入力の調節計にリニューアルするというような場合にも、M2RRがインタフェースとしてお役に立ちます。 ■
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