2003年1月号

MICONEX 2002(第13回 多国儀器儀表展覧会)
の視察を終えて

(株)エム・システム技研 海外営業部長
 
は じ め に
 2002年9月24日から27日までの4日間、中国の北京展覧館で開催された「MICONEX 2002」に、このたびエム・システム技研として初めて出展しました。予想以上に大変な盛況ぶりで、いよいよ計装の世界においても中国の時代到来かと思わせるだけの勢いと着実な足音を感じさせる展示会でした。会場の賑わいや集まってくる若い計装関係エンジニアの真剣な眼差しを見ると、高度成長期の日本を彷彿とさせる急速な産業の立ち上がり、経済大国化への息吹が中国で着実に進行していることをあらためて実感しました。少なくとも2008年の北京オリンピックまでは一直線で発展し続けて行くこと、それは間違いないといえるでしょう。

1.MICONEXとは
 それでは、まずMICONEXについて、ここで簡単にご説明しましょう。この展示会は日本のINTERMAC(国際計測工業展)に相当するもので、1983年の上海での開催を皮切りに、当初はほぼ1年おきでしたが、最近では毎年、中国儀器儀表学会の主催により、北京または上海で開催され、今年で第13回を迎えた、中国で開催される計測展としては国際的に最も有名で歴史のあるものです。今年は北京展覧館で開催され、内外の550社が出展し、入場者数は40,000人ほどを数えました。この数字は昨年のドイツ「INTERKAMA2001」に匹敵し、アジアではもちろん世界的に見ても最大規模の計測展になったといえるでしょう。ちなみに、中国国内の計器・計装専業メーカー数と売上規模は、本展示会を主管している儀器儀表学会の統計(2002.9.25付中国儀電報発表)によると、6000社で年商1000億元(約1兆5000億円)とのことです。一方、輸入品は70億米ドル(約8,400億円)であり、中国国内生産高の約半分に当たります。

2.今回の出展社について
 出展社は、①外国メーカー、②外国製品を販売する中国の代理店、③中国国産メーカーの3つに大別されます。その中でもとくに目立ったのはABBで、2番手がハネウェルでしたが、外国メーカーの展示では今回ドイツ勢の躍進がとくに際立っており、Siemens、Krohne、Endress+Hauserなどが一部拠点を中国にもち、足が地に着いた販促活動をしていました。また、一部エム・システム技研と競合しますが、Wago、Phoenix Contactなどの端子台メーカー、P+F、 MTLといったFA、本安機器のメーカーも元気でした。一方アメリカ勢はFoxboroが不参加、フィッシャーローズマウントがバルブのみの出展であったことに象徴されるように、大手DCSメーカーの不参加もしくは規模縮小が目立ちました。信号変換器についてもアメリカのほとんどの主力メーカーが不参加でした。これは日本勢についても同様で、国内不景気の影響と中国展示会専業化の流れ、すなわち「水処理展」や「食品工業展」といった業種別もしくは地方別のローカル展示会が主流になりつつあります。これはコスト削減の取組みの現れと推察されます。
 一方、外国製品を販売する中国の代理店や中国国産メーカーは、規模の小さなベンチャー企業から大企業に至るまで様々なブースがあり、これを見るだけでも、中国が今いかに活気付いていて競争の激しい市場であるかが、手にとるように分かります。実際、信号変換器を生産するローカルメーカーだけでも100社以上あるといわれており、今はまだ品質・納期面、あるいは品揃えの面でも脆弱ですが、将来的に外国勢・国産勢入り乱れての激しい生き残り競争が起こることが必定です。エム・システム技研としては、将来にわたり、この厳しい環境下でもユーザーの皆様や販売代理店の方々から支持され勝ち残って行ける存在になれるよう、中国戦略を十分に練り、今回の初出展に至った次第です。

3.エム・システム技研ブースの特徴
 エム・システム技研のブースは30m2と小振りながらも、現地代理店である北京展傑興業科技有限公司殿の協力を得て、内容に工夫を凝らした展示を行い、中国国産メーカーはもちろん欧米系同業他社にも決して劣らない充実した内容であったと自負しています。図3に示すとおり、ブースは常に人だかりがある状態で、説明員は終始テンテコ舞いでした。期間中、累計で約500名のブース来場者を迎え、積極的な技術問合せや引合いに対する対応をさせていただきました。具体的な展示内容は、従来型の小形プラグイン変換器みにまるシリーズ、みにまるW2シリーズに加えて、パソコンなしで設定変更や校正が簡単にできる欧米スタイルのワンステップキャル方式ユニバーサル変換器(形式:M3LU)注)、ローコストの超小形端子台形変換器M5・UNITシリーズ、本安防爆対応2線式ユニバーサル温度変換器(形式:B6U)、PCレコーダ(形式:R1M)、リモートI/O R5シリーズ、雷サージカウンタ付避雷器(形式:MAAC)と、新製品を中心に的を絞ったものにし、それが功を奏したようです。

お わ り に
 中国市場は古くて新しいマーケットです。旧ソ連製の弁当箱のような変換器を未だに使っている国営ユーザーがあると思えば、今回エム・システム技研の展示品の中ではリモートI/Oにとくに人気が集中したように、一方にはシステムのオープン化などにも非常に熱心で、最新技術の導入にも貪欲な一面をも持ち合わせています。また、新興企業の経営者層には、若くて優秀な人材が揃っており、長い不況のどん底で喘いでいる日本人より、柔軟で速く大胆な経営判断ができるという優位性も持っています。それだけに、我々メーカーにとっては、変化が早く常に進化し続けなければ生き残れない厳しい市場です。エム・システム技研は、今回の機会を利用して中国の計装市場を垣間見たに過ぎない状況です。しかし、今後の大きな飛躍につながる数多くのヒントを得ることができたと確信しています。
 今後とも、中国に進出されている日本企業や関連企業の皆様のお役に立てるよう、精一杯現地サービスの向上に力を入れて行きますので、どうぞ引き続きご愛顧のほど何卒よろしくお願い申しあげます。 ■

注)本誌本号のp.8、9参照。

みにまるは、エム・システム技研の登録商標です。

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