2003年2月号 | |||||||
お客様訪問記
高知県大方町の水道設備中央監視装置に採用された
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(株)エム・システム技研 東京支社インサイド営業部 システム技術担当 | |||||||
大方町は、高知県の西部、日本最後の清流といわれている四万十川が流れる中村市の東隣に位置しています。東西15km、南北12kmの扇形で、南側は太平洋(土佐湾)に面し、自然が豊かな町です。この土佐湾には、世界でも1番美しいといわれるニタリクジラたちが生息しています。この鯨を見る“ホエールウォッチング”が1989年から始まり、4月から10月にかけて全国から訪れる多くの人たちは、鯨やイルカに逢い感動する「鯨に逢える町」としても有名です。 この大方町の水道設備中央監視システムに、エム・システム技研製のMSデータロガーが採用されました。今月は、大方町役場を訪ね、環境整備課長 文野 勲 様、同課水道係長 矢野 健康 様、水道係の畠中 克実 様、今回の中央監視装置新設工事を受注し、システム構築を担当された共栄電機工業(株)設計部係長 渡邉 新仁 様にお話しを伺いました。 [エム・システム技研、以下エムと略称]中央監視システムを導入された経緯についてお教えください。 [文野]大方町には、町の南側の海岸沿いに上水道が、海岸から離れた山間部には簡易水道と飲料水供給施設があり、それぞれの設備が町のあちこちに分散しています。これらのうちの一部設備からは、テレメータ装置を使って、水位などの警報信号や流量積算信号を役場まで伝送していました。しかし、町の水道水の約90%を取水している鞭水源地と上川口水源地の設備が老朽化してきたため、これらを更新し、今まで電気計装設備のなかった田野浦配水池に遠隔監視設備を設置することを主体に、今回の工事を計画しました。 [矢野]今までの監視装置は、鞭と上川口の信号についてはアナログ記録計と積算カウンタで、その他については旧式のパソコンに信号を取り込み、簡単なデータ収集を行っていました。このため、設備の監視やデータ管理が煩雑になっていましたので、今回、すべての信号を新しい中央監視装置に取り込むことにしました。 [渡邉]パソコンシステムで中央監視装置を構築するのにあたって各社のパソコンシステムを検討した結果、比較的新しい製品で、かつ信頼性が高く、コストパフォーマンスが良い製品として、“MSデータロガー”をお薦めしました。 [エム]システムの構成はどのようになっていますか。 [矢野]今回、更新・新設した3箇所と既設4箇所のテレメータ装置で送られてきた信号を、リモートI/O変換器“R5シリーズ”の入力ユニットに取り込んでいます。R5に取り込んだ信号を、Ethernetの信号に変換した後、パソコンに取り込み、画面表示とともに帳票作成を行っています(図1)。 [エム]画面構築はどのように行われましたか。 [渡邉]MSデータロガーの画面ソフト“Citect5”を扱うのは初めてでしたが、エム・システム技研のセミナーを受講し、画面構築を行いました。グラフィック画面に使う水中ポンプなどのシンボルも自分で作りました。比較的簡単に構築することができました。 [エム]システムを運用してみて、いかがでしたか。 [畠中]昨年(2002年)の3月から運用を始めました。運用を始めた翌月に、水道管の破損事故が発生しましたが、配水流量の警報によって事故の発生を知ることができ、素早く対応できました。今までは、住民の方からの通報でしか事故の発生を知ることができなかったので、大変助かっています。 [矢野]中央で監視している主要設備についても、まだ取り込んでいない信号があったり、テレメータ装置がない設備もあります。将来的には、このような信号も役場に送るようにしたいですね。 [エム]お忙しいところ、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。 ■ 本システムについての照会先: 共栄電機工業 株式会社 営業本部 設計部 係長 渡邉 新仁 様 〒783-0047 高知県南国市岡豊町常通寺島535 TEL.088-864-2965 FAX.088-864-1093
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