2003年4月号

薄形2線式変換器 B3・UNITシリーズ

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 エム・システム技研では、お客様のご要望に対応し、各種各様の変換器を用意しています。その中で2線式変換器は、信号電流からアンプ駆動用電源を取ることにより、電源配線を省略した伝送方式の変換器です。したがって、現場に電源を必要としません。しかも、配線長が500mあって、信号伝送が可能です。また、1対2本の導線をもつCVVケーブル注1)を使って信号を伝えられます。電源仕様やその存否自体に関係なく設置できる点、まさにワールドワイドの変換器です。熱電対入力用のカップル変換器を現場に置いた場合、高価な補償導線を中央制御室まで引く必要がなく、配線工事での省力化が可能です。また、採用しているDC4~20mAの計装用統一信号は、ノイズに対して強い伝送信号です。2線式変換器はこのように扱いやすい変換器であり、現在とくにアメリカ、ヨーロッパにおいて広く使用されています。
 エム・システム技研の2線式変換器としては、各種直流電圧、直流電流、パルス、交流電圧、交流電流、空気圧などの信号、およびカップル(熱電対)、測温抵抗体、ポテンショメータ、ロードセルなどのセンサを入力として扱えるよう様々な機種を用意しています。
 今回は、このような2線式変換器の中からB3・UNITシリーズをご紹介します。

1.特 長
 現場で入力レンジを変更したい、センサの種類を変えたい。このような場合、ドライバー1本で入力仕様を変更することができます。
 現場の厳しい環境にも耐えられるよう、使用温度範囲を-40~85℃と広くとっています。
 入力 - 出力間の耐電圧については、2000Vを保証しています。したがって、広範囲の設備で安全にお使いいただけます。
 接続端子としては、ユーロ端子を使用しているため配線の脱着が容易です。配線をいちいち付け替えないで済むため、誤配線を防止できます。
 EUのCE指令、CE電磁適合指令(89/336/EEC)に対応しています。

2.機 種
 B3・UNITとしては、直流信号・カップル(熱電対)・測温抵抗体・パルス信号およびユニバーサル入力(測温抵抗体、熱電対、抵抗、ポテンショメータ、電圧入力)用を用意しています(表1)。
 直流信号入力用としては、直流入力変換器(形式:B3FV)があり、スパン4mV~100Vおよびスパン16μA~30mAという広範囲の信号レンジから内部ディップスイッチで選択・設定できます。
 入力レンジが固定式で、コストを重視した2チャネル形(形式:B3VS/2)も用意しています。
 熱電対入力用としては、カップル変換器(形式:B3FT)があり、K、J、T、E、R、Nの各種熱電対に対応しています。熱電対の種類および温度レンジは、内部ディップスイッチで変更できます。リニアライズされたDC4~20mA信号を出力し、どのような温度レンジに対しても精度は変わりません。
 測温抵抗体入力用としては、測温抵抗体変換器(形式:B3FR)があり、Pt100(JIS'97、DIN、IEC)、Ni120、Cu10に対応しています。測温抵抗体の種類および温度レンジは、内部ディップスイッチおよびロータリスイッチによって変更可能です。
 B3FTと同様に、リニアライズされたDC4~20mA信号を出力し、どのような温度レンジに対しても精度は変わりません。
 パルス信号入力用としては、パルスアナログ変換器(形式:B3FP)があり、電圧パルス、電流パルス、オープンコレクタの各入力に対応しています。また入力パルス検出方法として直流/交流カップリングの選択、チャタリング対策としてフィルタの選択、その他パルス検出レベルの選択も可能です。入力周波数については、0.01Hz~100kHzの範囲での設定が内部ディップスイッチおよびロータリスイッチによって可能です。
 ユニバーサル入力用としては、2線式ユニバーサル温度変換器(形式:B3HU)があり、入力として測温抵抗体、熱電対、抵抗、ポテンショメータ、電圧に対応する機能をもち、HART通信機能注2)を使って入出力設定を行います。HARTコミュニケータまたはHHC(Hand-Held Communicator)と呼ばれる携帯形通信ターミナルを使うことにより、入力信号を随時変更できるようにした変換器です。

3.その他の2線式変換器
 エム・システム技研の2線式変換器には、B3・UNITシリーズのほかにも豊富なバリエーションがあります。
 すなわち、パネルマウントタイプとしてはT・UNIT、B・UNITおよびB5・UNITがあり、現場型としては26・UINT、6・UNIT、B6・UNITがあります(表2)。

お わ り に
 ここにご紹介した薄形2線式変換器B3・UNITシリーズの特徴、能力をご理解いただき、具体的用途へのご採用をぜひご検討ください。また、さらに詳細をお知りになりたい場合は、エム・システム技研ホットラインまでご連絡ください。  ■

注1)制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(JIS C 3401)。
注2)HART信号に関する詳細は、本誌1998年11、12月号の「計装豆知識」をご参照ください。

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