2003年8月号

リモートI/Oを接続できるプログラマブル表示器「モニタッチ」

発紘電機(株) HMI事業部  大 坂 昇 一
 
は じ め に
 発紘電機(株)は、昭和38年にFA機器用制御装置のメーカーとして創業しました。プログラマブル表示器の開発では、他社に先駆けていち速く商品化に成功しました。以来、現在に至るまで様々なお客様にご使用いただき、多大なる信頼をいただいています。

1.モニタッチ
 発紘電機は、約15年前に、FA機器用制御装置の操作画面を自由に変更できる機器としてプログラマブル表示器「モニタッチ」GD-43Eを発売し、その後、現行モデル「モニタッチ」V7シリーズに至るまで、多様なニーズに対応できる提案型商品の開発に注力して参りました。
 現在の商品ラインナップとしては、V7シリーズ(12.1インチ、10.4インチ、8.4インチ)、V6シリーズ(5.7インチ、9インチEL、8インチハンディ)があります。V7シリーズ(図1)は、12、10、8インチ全タイプで800×600ドット(SVGA)に対応しているため、情報表示能力が高いだけでなく、画面データを共有して使用することが可能です。またCFカードスロットを標準装備しているため、CFカードを利用した複数の画面データの転送やデータのロギング、レシピデータ(CSVファイル)の読み出しや書き込みも可能です。シリアル通信では2ポートを利用して、PLCと同時に温調器、インバータ、他メーカーのPLC機器を接続することが可能です(温調ネットワーク/PLC2WAY機能)。V7シリーズの高機能タイプであるV7iシリーズは、Ethernet 10BASE-Tポートを標準装備しているため、上位でのネットワーク化が実現できます。さらに、上位PCに遠隔監視/遠隔操作用ソフトウェア「TELLUS&V-Server」を使用することによって、Ethernet通信で「モニタッチ」のリモートメンテナンスも実現できます。

2.リモートI/Oとの接続
 「モニタッチ」には、エム・システム技研のリモートI/O「R5シリーズ」と「R1Mシリーズ」を、Modbus RTU通信を利用して最大31台まで接続できます(図2)。「モニタッチ」をリモートI/Oと接続することによって、リモートI/Oのデータを直接表示することが可能です。またCFカードを利用することにより、リモートI/Oのデータをリアルタイムでロギングし、アナログ出力用のデータをレシピ機能で一括転送することもできます。Ethernet通信を利用した記録データのPC保存にも対応できます。さらには、リモートI/Oのデータを、「モニタッチ」経由でPLCに対してプログラムレスで書き込んだり、読み出したりできます(図3)。

3.リモートI/Oとの接続例(図3参照)
 【例1】電圧、電流値の変更とバルブの開閉度調整、ならびに接点状況の確認
 リモートI/O「R5シリーズ」にアナログ、接点入出力カードを装着し、「モニタッチ」に接続することによって、現在値の表示や設定データの変更を「モニタッチ」から行います。
 効果:「モニタッチ」を確認しながら作業することで、現場への往復が減り、運転開始の段取り時間が大幅に短縮されます。
 【例2】多数の水槽の水位管理
 入力アナログ点数が多いため、リモートI/O「R1Mシリーズ」を「モニタッチ」と接続し、「R1Mシリーズ」からの現在値データを「モニタッチ」経由でPLCへ転送します。
 効果:PLCのアナログユニットは1ユニット当たりの入力点数が少なく、多点入力時には「R1Mシリーズ」使用のコストメリットが大きく出ます。さらに、「モニタッチ」には通信機器のデータをPLCへ転送する機能が標準で装備されているため、PLCにおける通信プログラム作成が不要になり、開発時間が短縮されます。
 【例3】アナログデータのロギング
 従来は記録計を使用していましたが、リモートI/O「R1Mシリーズ」と「モニタッチ」を併用することによって、ロギングデータをCSV形式でCFカードに保存し、PCでデータ管理を行います。
 効果:記録計で使用していた記録紙が不要になり、電子管理することが可能になるため、管理者への報告やデータ解析が容易になります。また、CFカードを利用することによって、カードの取り扱いや購入などメンテナンスが容易になります。
 【例4】食品工場で、現場から約200m離れている監視室における、商品の温度と湿度の管理
 RS-485通信を利用して、リモートI/O「R1Mシリーズ」を工場側に、「モニタッチ」を監視室側に設置し、遠隔監視を行います。
 効果:工場から監視室までケーブルを1本接続するだけで、複数の現場データをモニタでき、簡単かつ経済的な配線工事で設備を導入できます。
 【例5】ポンプ制御状態の遠隔監視
 制御盤にリモートI/O「R5シリーズ」と「モニタッチ」を接続します。さらに、Ethernet通信を使い、上位PCには遠隔監視/遠隔操作用ソフトウェア「TELLUS&V-Server」を使用します。このような構成によって、ポンプ制御に関して「モニタッチ」と同じ画面をPC上に表示し、遠隔監視・操作を行います。
 効果:遠隔地のPCから監視・操作ができるため、現場の状況を集中的に監視可能です。さらに、「モニタッチ」の操作をPC上から行えるため、制御盤まで行く必要がなく、効率の良い監視が可能になります。

4.拡 張 性
 「モニタッチ」はModbusRTU通信をサポートしているため、エム・システム技研の「60・UNITシリーズ マルチアナログ入出力ユニット(形式:60M)」、「61・UNITシリーズ マルチアナログ通信ユニット(形式:61M)」あるいは「電力用小形マルチトランスデューサ(形式:LSMT2)」、センサ入力1点用のリモートI/O 「ユニバーサル入力変換器(形式:M2XUM)」など様々な機器と接続できます。

お わ り に
 「モニタッチ」は、生産現場におけるマンマシンインタフェースとしてその大きい役目を果たして参りました。工場現場などにも、ネットワーク化が急速に普及し始めています。この時代の流れにおいて、ネットワークのコアになるべく製品として、「モニタッチ」のさらなる充実を図って行きたいと考えています。今後ともよろしくお願い申しあげます。 ■

本システムについての照会先:
 発紘電機株式会社
 HMI事業部 技術課
 大坂 昇一 様
 〒924-0035
 石川県松任市上柏野町890-1
 TEL:076-274-5130
 FAX:076-274-5208
 E-Mail:osaka@hakko-elec.co.jp
 URL:http://www.hakko-elec.co.jp/

*「モニタッチ」は、発紘電機(株)の登録商標です。
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