2003年8月号 | ||||||||||||
ネットワーク対応 チャートレス記録計システム | ||||||||||||
(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||||||
このチャートレス記録計システムは、チャートレス記録計本体(3機種 形式:73ET、74ET、75ET)とリモートI/Oから構成されています。
73ET、74ET、75ETのチャートレス記録計本体(以下、単に記録計本体と称します)を従来のチャート式記録計のパネルカットに合わせて設置するため、図4に示す専用のアダプタを用意しました。パネル表面から見ると、従来設置されていた記録計とまったく同じ外形寸法になります。専用の取付け金具を使用して取付けるため、既存の記録計を取り除いたパネルをそのまま使用でき、パネル面の改造はまったく不要です。図4は、アダプタを使用して75ETを取付ける場合の構成図です。 記録計本体にプロセス信号を取り込む入出力ユニットとしては、リモートI/Oを使用します。そして、入出力ユニットと記録計本体の間はRS-232-Cケーブルで接続します。したがって、信号線を記録計背面まで直接配線する必要はなく、パネル内の配線をすっきりさせることができます。
記録計本体は、最大128チャネルのデータを記録できます。収録周期は0.5秒から10分まで7種類あり、設定周期はすべてのチャネルに共通です。0.5秒の収録周期を選択した場合には4ペンの表示となり、従来のペン書き記録計に相当する機能をもちます。収録周期を2秒以上にすると、12ペンを表示する従来の打点式記録計に相当する機能をもつことになります。 記録計本体3機種の画面に関する仕様を表1に示します。記録計本体は、形式によっては、データを表示する液晶表示器の画面サイズと解像度が異なりますが、液晶の種類、画面の操作方法などはすべて同じです。 図5は74ETのレコード画面です。 レコード画面は、記録されるデータをリアルタイムに表示します。表示更新周期は4ペン表示の場合は0.5秒、12ペン表示の場合は2秒です。表示画面はいずれも2ページあり、収録周期と表示周期の設定に対応して、同時に表示できるペン数は最大8ペンと24ペンになります。 ●記録データの検索と表示 すでに記録されているデータの検索は、リトリーブ画面にて行うことができます(図6)。なお検索には、ページのアップ・ダウンによる方法および記録時刻(年月日時分秒)を指定して行う方法があります。長期間記録されているデータの中から必要な時刻のデータを簡単に検索して表示することができます。また、リトリーブ画面の表示中であっても、データの収録は続けられます。 ●ネットワーク対応 チャートレス記録計システムは、システムとしてネットワークへの組込みが可能です(図7)。Ethernetに記録計本体を接続することにより、パソコンにインストールしたPCレコーダソフトウェア(MSR128)を使って本体のデータをリアルタイムに収録することができます。記録計本体にて収録したデータはコンパクトフラッシュカードに格納されます(図8)。格納されたデータは、LANを通じてパソコンにファイル転送するか、あるいはコンパクトフラッシュカードをパソコンのリーダで読み込むことによって、パソコン上のデータファイルとして解析、保存用に使用することができます。
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