2003年9月号

テレメータ用PHSアクセスユニット(形式:PAU)

(株)エム・システム技研 商品統括部
 
は じ め に
 PHSアクセスユニット(形式:PAU、以下「PAU」と略称)注1)は、PHS回線でアナログ端末を使用するためのプロトコル変換装置であり、エム・システム技研製の各種テレメータ製品と組み合わせることにより、PHS回線経由の無線テレメータシステムを実現できます。
 PAUについては、PHSの一般公衆電話回線用のモデル(形式:PAU-102、PAU-203N)を一昨年の4月に発売しましたが 注2)、このたび一般公衆電話回線と自営回線(PBXを使用する内線電話回線)の両方に対応可能な新モデル(形式:PAU-112、PAU-213N)に移行しました。本稿では、PAUを使用した無線テレメータシステムの事例およびPAUの特長、利用メリットなどについて改めてご紹介します。
 なお、PAUを一般公衆電話回線用にお使いいただく場合には、新、旧モデル間で完全な機能の互換性があります。

1.PAUを使用したPHS無線テレメータシステム
 PAUは、通信の機能媒体としては、有線の一般公衆電話回線や自営回線と基本的に同等とみなすことができます。したがって、以下に挙げるエム・システム技研のテレメータ製品と組み合わせて使用することができます。
 ●NCU付きモデム(形式:MOC1)(MOC1を使用するMsysNetのテレメータ製品)
 ●てれまる(形式:TLO)
 ●てれとーく(形式:TLA)
 ●テレロガー(形式:TLX1)
 ●FAXロガー(形式:TL2F-S)
 ●Webテレメータ(形式:TL2W2)
 以上の諸製品による無線テレメータシステムの構成事例を図1に示します。

2.PAUの主な仕様
  エム・システム技研が現在ご提供しているPAUには、屋内設置形(形式:PAU-112)および屋外設置形(形式:PAU-213N)の2機種があります。これらの外観を 図2に示します。また、主な仕様を表1に示します。
 PAUを一般公衆電話回線用に使用するか自営回線用に使用するかは、登録する電話番号によって決まります(自営回線の場合は内線を設定)。一般公衆電話回線用に使用する場合は電話端末機器と同様、使用者(お客様)と通信事業者(PHSキャリア)の間で使用契約をご締結いただく必要があります(PHSキャリアがDDIポケットの場合に限り、エム・システム技研が契約手続きの窓口業務を代行します)。
 自営回線の場合には、お客様がキャリアと契約していただく必要はありません。ただし、内線番号の設定方法などについては、あらかじめPBXの販売店や施工業者にお問い合わせください。
 なお、自営回線の場合には、PBXの機種に対する注意が必要です。現在、PAUが対応可能なPBXとして確認されている機種を以下に示します。
 ●NEC製PBX
 ・APEX3000/1000VSIIシリーズ
 ・APEX3600シリーズ
 ・APEX3600i シリーズ
 ・APEX7400シリーズ
 ・APEX7600シリーズ
 ・APEX7600i シリーズ
 上記機種の詳細バージョン、およびNEC製以外のPBX機種との対応に関しては、エム・システム技研ホットラインまでお問い合わせください。

3.特長とメリット
  PAUを使用したPHS無線テレメータシステムの主な特長と利用メリットを、以下に示します。
 (1)無線化により、設置工事が大幅に簡略化されます。
 (2)有線電話回線が引けない場所にも対応が可能です。
 (3)PHSのテレメータリング向け低料金サービスの利用により、通信費の低減が図れます(一般公衆電話回線利用の場合)注3)
 (4)自営回線を利用する場合には、回線工事が不要で通信費もかかりません。
 (5)PHSには電話債権(固定電話加入権)が付随しないため、現在一般公衆電話回線を利用されているお客様がPAUにリプレースされた場合には債権の売却損が計上でき、節税効果が期待できます注4)

お わ り に
 最近は、携帯電話や無線LANなど、無線媒体を使用する製品が身近に数多く存在する環境になってきました。このような背景に呼応するかのように、工業計測の分野でも無線を使用するテレメータ装置の需要が高まっています。PAUは、通信費の安価なPHSの公衆回線や通信費のかからない自営回線を利用して、無線テレメータを簡単に、かつ安価に実現するための有効な手段です。無線テレメータをご計画の際は、ぜひPAUの採用をご検討願います。 ■
注1)PAUは日本電気(株)(NEC)の製品です。
注2)本誌2002年3月号の記事をご参照くだ
さい (エム・システム技研ホームページ
http://www.m-system.co.jp/でもご覧いただけます)。
注3)同上、記事中の表2に使用料金例があります。
注4)同上、記事中の注2)をご参照ください。

てれまるてれとーくテレロガーMsysNetはエム・システム技研の登録商標です。

 
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