2003年10月号 | ||||||||
デジタル設定形セルシン変換器(形式:MXS) | ||||||||
(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||
今回ご紹介するMX・UNITシリーズのデジタル設定形 セルシン変換器(形式:MXS)は、設定時にプログラミングユニット(形式:PU-2A)などの外部設定器を必要とせずに、前面設定パネルでの操作だけで、現場でも容易にゼロ、スパンを設定でき、また、前面のパネル表示器でセルシン発信器からの入力角度を容易に確認することも可能な新製品です。以下、このMXSの機能と特徴についてご紹介します。
MXSは、既設のセルシン発信器からの3本の信号線と1対の電源線に対して並列接続するだけ(図2参照)で、省スペース、ローコストに発信器の角度信号を入力信号と絶縁されたDC4~20mA、DC1~5Vなどの計装用信号に変換します。なお、この場合、セルシン受信器の接続は必ずしも必要ではなく、省略が可能です。 (2)入力角度をワンタッチで設定可能 現場などで設定角度がわからない場合、セルシン発信器の回転軸位置(回転角)を0、100%位置に固定し、前面設定パネルから押ボタンによるワンタッチでゼロ、スパンを設定することが可能です。 なお、角度スパンがわかっている場合は、前面設定パネルからその値を入力することにより、簡単に入力値を設定することができます。ちなみに、入力角度は、0.1゜ステップで設定可能です。 (3)入力角度を表示 MXSは、セルシン発信器の入力角度を前面設定パネル上に表示することが可能であり、セルシン発信器の現在の入力角度を容易に確認することができます。 (4)ループテスト出力 MXSの出力側に接続している機器の動作をテストしたい場合や、システム立ち上げ時の確認などのために、入力信号とは無関係に、通常の上下限出力の限界をわずかに超えた範囲までの出力信号を、模擬出力することが可能です。すなわち、ループテスト出力機能を備えています。 (5)折れ線リニアライザ 最大32点 折れ線リニアライズ機能を使用することにより、セルシン発信器の出力信号に生じる微妙なノンリニア特性も高精度に補正することが可能です。前面設定パネルで、1~32点の任意の点数で折れ点リニアライズを設定することができます。 (6)出力レンジを自由に設定 MXSは、前面設定パネルを使用して、出力範囲値レンジを自由に設定することができます。出力信号は下記の3種類です。 ◆ 電流出力 MXS-1Z1-□ :出力範囲DC0~20mA ◆ 電圧出力 MXS-1V1-□ :出力範囲DC-1~+1V MXS-1V2-□ :出力範囲DC-10~+10V (□:電源コード、KまたはLが入ります) (7)入力回転方向設定 MXSは、前面設定パネルでの設定により、回転方向が時計回り(CW)、反時計回り(CCW)のどちらに対しても出力を増加させることが可能です。入力信号線の配線変更などを行うことなく、セルシン発信器の回転方向に合わせて設定できます。 (8)出力上限、下限範囲設定 MXSは、出力の上限・下限値を範囲内の任意の値(下限値:-15.0~0.0%、上限値100.0~115.0%)に設定することが可能です。たとえば、下限値を0.0%に設定した場合、0.0%以下の出力信号をすべて0.0%にホールドできます。 (9)設定値初期化 設定を初めからやり直したい場合には、設定値初期化を実行することにより、すべての設定を工場出荷時の状態に簡単に戻すことができます。
エム・システム技研のデジタル設定形MX・UNITシリーズには、セルシン変換器(形式:MXS)のほか、下記の諸機種を用意しています。MXSに併せてのご採用、ご活用をお願いします。 ●直流入力変換器(形式:MXV) ●演算機能付 直流入力変換器(形式:MXF) ●カップル変換器(形式:MXT) ●測温抵抗体変換器(形式:MXR) ●マニュアルセッタ(形式:MXMS) ●ロードセル変換器(形式:MXLC/MXLCF) ●アナログバックアップ(形式:MXAB) ●コンピュータバックアップ(形式:MXCB) ■ |
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