静岡県の県庁所在地である静岡市は、2003年4月、東隣にあった清水市と合併し、人口が70万人を超え、東海地方の中核都市としてさらなる発展を目指して都市整備を進めています。今月は旧清水市の水道管理施設であった静岡市企業局
水道部 清水水道事務所 水道施設課を訪ね、上水道設備遠隔監視システムに採用されたMsysNetについて、水道施設課主査 村松
憲一郎 様、同課主任 馬場 雅好 様にお話を伺いました。
[エム・システム技研、以下エムと略称]MsysNetによる遠隔監視システム導入の経緯についてお教えください。
[村松]清水水道施設課では、主要な設備については以前からNTTの専用線と重電メーカー製のテレメータ機器を使って遠隔監視(常時監視)を行っていました。また、加圧ポンプ場や小さな配水設備については、常時監視用のテレメータ機器の導入コストが高いこともあって、公衆回線を使った異常通報装置しか取り付けていなかったり、あるいは異常通報装置自体が設置されていない施設もありました。
3年ほど前に、梅ヶ谷に加圧ポンプ場を新設することになり、当初、公衆回線による異常通報装置を設置する予定でした。しかし以前から、エム・システム技研が小規模設備監視に適した安価なテレメータ機器を販売していることを『MS
TODAY』などで知っていました。そこで、資料を取り寄せて仕様や設置コストを検討し、MsysNetによる遠隔監視システムを梅ヶ谷の加圧ポンプ場の監視に採用してみることにしました。
その結果、比較的安価な設備費用で常時監視が可能であることがわかり、順次監視箇所を増やして行き、今ではMsysNetによる遠隔監視システムを使って、工事中の箇所を含めて10箇所の常時監視ができるようになりました(図1参照)。
[エム]MsysNet製品は、各機器にソフト設定したり、監視画面を作り込まなければなりませんが、どうされましたか?
[馬場] 基本的なソフト設定や画面の構築は自分たちでも行っています。まとまった仕事のときには外部のエンジニアリング会社にお願いしていますが、ソフト設定や変更、パソコンの監視画面の修正や変更などは自分たちで行うことにより、より早く対応できるうえ、コストも下がります。
[エム] 無線テレメータも採用していらっしゃいますね。
[馬場]2003年の3月に、草薙配水池を親局とし、つつじヶ丘団地と草薙団地にある小規模の配水池を子局とした、1:2の400MHz帯小電力無線テレメータ
無線データ通信モデム(形式:RMD2)注)を導入しました。それぞれ直線距離で500~600m程度離れていて、見通しもそれほど良いものではありませんが、導入した後問題なく順調に稼働しています。
RMD2は本体とアンテナが一体になっているうえ、防水構造でないため、その取付け方法には気を使いました。収納用の箱にRMD2を逆さに取り付け、アンテナが箱の下側から出るようにしました。また、夏場に箱内の温度が機器の許容設置温度以上にならないよう、箱を二重にするなど工夫しました(図2参照)。
[エム]MsysNetによる遠隔監視システムを導入されていかがでしたか。
[村松] 従来のテレメータ機器に比べ価格が安いので、監視項目の少ない小規模設備の監視にはコストパフォーマンスが良いと思います。また、無線テレメータは地形などによって伝送距離に制限がありますが、使う場所を選択することで、遠隔監視のランニングコストを下げることができました。
[エム]お忙しいところ、ありがとうございました。■
注)本誌2002年8月号の記事をご参照ください(エム・システム技研ホームページhttps://www.m-system.co.jp/でもご覧いただけます)。
本システムについての照会先:
(株)エム・システム技研 東京支社
東京第2営業部
TEL.03-5783-0511
FAX.03-5783-0757
*MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
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