2004年5月号


 『エムエスツデー』
創刊12周年のごあいさつ

宮 道   繁
(株)エム・システム技研
代表取締役社長

  『エムエスツデー』読者の皆様、こんにちは。
 今年はエム・システム技研の創業32年を迎えますが、『エムエスツデー』の発行を始めてから12年が経過しました。月日の経つのは速いものとの思いもありますが、その間世の中もしっかり変化したように思います。
 湾岸戦争の成り行きを見守ったころから、今日のイラク戦争の終結と自衛隊派遣まで、日本人の意識も随分変わったものだと思います。世界の唯一の軍事大国アメリカが、双子の赤字を垂れ流し続けて、ドルの行方が心配されています。日本は世界第2位の経済大国でありながら、バブル経済崩壊の後遺症に未だに苦しんでいます。これらの社会現象が、この12年間に生じたことを考えますと、多少の感慨を禁じ得ません。
 その間、私たち計装関連の世界も激しい変化を遂げました。DCS全盛の時代は過ぎ去り、パソコン計装の時代がやってきました。信号の伝送は、アナログ伝送からデジタル伝送に代わり、2重化による信頼性が問題になりました。今では、その通信方式も、各国の主力PLCメーカーが主宰する通信プロトコルが提案され、実用化され、用途によって選定されるまでになりました。
 銀行のオンライン化に代表されるように、広域に分散配置された設備間を結ぶ高速の光ファイバ通信網が、一般ユーザーにも自由に使えるようになり、全国に点在する工場をあたかも同一敷地内にある設備のように、ごく普通に運転管理ができるようになりました。
 計装用インタフェースの総合メーカーを目指すエム・システム技研にとっては、またとない新製品創出の環境が整ったことになります。システム構成に関しては、あくまでもお客様が主役であり、メーカーとして、便利さと使い易さを追求した各種の新機能製品を、いかにシステムメーカーに提供できるかがエム・システム技研の存在意義だと考え、今日までやって参りました。
 便利な変換器はほとんど全部創り尽くしました。次は、計装信号をまとめてネットワークに送り出す、リモートI/Oの総合メーカーも目指すことにして、目下は通信の2重化はもちろんのこと、異なる通信プロトコルの同時発信なども自由に行うことができ、かつ、用途に応じて、価格、性能、機能が選べる幅広いリモートI/Oをシリーズ商品にするための仕上げ工程に入っています。
 世は正にインターネット時代の到来です。エム・システム技研は、地域に分散配置された設備(例:中小発電システム、上下水道管理システム、受変電システム、病院管理システム、地域冷暖房システム、コールドチェーンシステム、ビニルハウス管理システム、公園管理システムなど)を、ケータイやパソコンで一括管理できる「Webロガーユニット TL2シリーズ」を、すでに発売いたしました。
 このWebロガーは、てのひらサイズであるにも拘わらず、アナログやON・OFFの計測信号を直接入力として、内部のメモリに蓄えるほか、Webサーバ機能、ロガー機能を内蔵していて、ケータイやFAXでいつでもどこでも設備の管理ができる優れものです。もちろん、Windowsパソコンであれば、Webに接続することによりHMIマシーンになります。
 パソコンが扱える人ならすぐに取り組めるように、簡単立ち上げビルダーソフトもご用意しましたところ、多方面からご注目いただき、目下、実用出荷とサンプル出荷に追われています。
 世の中の技術開発のスピードは、ますます速くなるものと思われます。エム・システム技研では、全社員の約1/4が開発要員という力の入れようです。来年の13周年のご挨拶にはどんなことを書けるか、今から楽しみに思っております 。■

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