2004年5月号 | ||||||||||||
屋外にそのまま設置できる
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(株)エム・システム技研 開発部 |
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エム・システム技研の電子機器専用避雷器「エム・レスタ」シリーズは、その名のとおり電子機器を雷の被害から守るのに打ってつけといえます。エム・レスタは、エム・システム技研創業の翌年(1973年)から販売され、今日まで多数の販売実績がその性能と信頼性の証になっています。また、近年は、電子機器専用避雷器の需要の多様化に併せてシリーズの拡充を図って参りました。このたび、主にDC4~20mAの信号線でご利用いただける屋外設置形 電子機器専用避雷器 MD6シリーズを新しく開発しましたので、以下簡単にご紹介します。
このような場合、被保護機器と避雷器収納容器のそれぞれの電気配線接続口の間を、屋外に適した方法で配線する必要がありましたが、このたび開発したMD6シリーズは、それ自体が屋外設置適合構造であると同時に被保護機器の電気配線接続口に対して直接接続する構造になっています(図2参照)。したがって、避雷器用屋外容器の準備や機器と避雷器の間を屋外配線する手間を省くことができます。たとえば、エム・システム技研のフィールドマウント形2線式ユニバーサル温度変換器(形式:B6U-B)や、2線式デジタルメータ(形式:43AL-B)の電気配線接続口に直接取付け、MD6シリーズから引き出されたリード線をB6U-Bや43AL-Bの端子に接続するだけで済みます。 計装機器やそれ用の避雷器を屋外に設置する場合、一般には十分なスペースが確保できるように思えますが、実際には1本の取付パイプに機器が集中し、スペースがない場合がしばしばあります。その点、MD6シリーズの容積は、前記のMDP-24-1やMDP-65-1と大差がなく、それらを屋外設置の際に使用する屋外ケーシングBX-W1の容積と比較すると約1/20になります。つまり、避雷器収納容器を使用する場合に比較して、スペースを大幅に節約できます。 MD6シリーズは、金属製きょう体をもつ屋外あるいは現場設置形の電子機器、あるいは別途金属製容器に収納された電子機器を保護するのに適しています。これらのきょう体あるいは容器には、一般に配線引込み口が設けられていて、電線管用の雌ねじ加工が行われています。MD6シリーズでは、機器側(被保護側)に雄ねじ加工を行い、直接これらの配線引込み口にねじ込むことが可能です(図3)。 ケーブル側(サージ伝来側)の接続構造については、使用状況に合わせて選択できるよう、3種類(形式:MD6T、MD6N、MD6P)を用意しました。MD6Tは、機器側と同じサイズの雌ねじの配線引込口と内部にユーロ端子を設けています。MD6Nは、機器側と同じサイズの雄ねじを採用していて、お客様でご用意いただいた端子箱などに接続できる構造です。MD6Pは、ケーブル側配線も機器側と同じ方向から引き出し、ちょうど閉塞栓のような構造です。これは、保護される機器の電気配線が行き止まりになっているのに、配線引込口が2箇所あり、余った口を塞ぐ必要がある場合に、閉塞栓と避雷器の役割を同時に担うことができます。
MD6は、放電開始電圧によって、形式:MD6□-24と形式:MD6□-65に別れます(□は、T、NまたはP)。避雷器としての基本仕様は、MDP-24-1やMDP-65-1とほぼ同一ですが、放電耐量を10000Aに強化しました。このため、まれに発生する恐れがある大きな雷からも機器を保護することができます。 保護等級は、IP65です。通常の使用方法の場合には十分な保護等級といえます。ただし、MD6自体は、リード線引き出し構造であるため、IP65以上の保護等級の容器に適切に取り付けられた場合に、その容器とMD6を一体と見なし、全体でIP65になります。また、容器の保護等級がIP65に満たない場合、たとえばIP55の場合は、全体としてはIP55になりますから、ご注意ください。
屋外の電子機器を雷から守る必要がある際は、MD6シリーズのご検討をよろしくお願いします。■ *エム・レスタは、エム・システム技研の登録商標です。 |
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