| ２００４年6月号 | ||||||||
計装豆知識◆◆ 変換器の仕様書の読み方について （6） ◆◆
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今回は、入出力レンジをお客様が所望の値に設定可能なデジタル式信号変換器の精度について説明します。
デジタル式信号変換器の内部信号処理は、入力デジタル化 → デジタル演算 → 出力アナログ化のように進められます。デジタル演算を行うため、入力と出力における信号変換範囲は、それぞれ独立して任意に（ただし、当該変換器についてあらかじめ予定されている信号レンジ内で）設定できます。このとき、変換誤差もそれぞれ独立に発生します。このような事情から、入出力を分離して、それぞれ入力精度、出力精度と表現しています。変換範囲の設定とは、たとえば設定可能範囲がDC－10～10Vの変換器について、実際の範囲をDC1～5Vに設定して使用することです（図1）。
MXVの仕様表現を以下に示します。 性能（最大スパンに対する％で表示） 基準精度：入力精度＋出力精度 ●入力精度：± 0.05 ％（スパンを設定可能範囲の 20％ 以上に設定した場合） ●出力精度：± 0.05 ％（スパンを設定可能範囲の 20％ 以上に設定した場合） このように、性能は最大スパンに対する％で表現しています。スパンを変更し、設定可能範囲の20％未満の範囲で使用する場合には、精度の算出に注意が必要です。
まず入力精度を求めます。設定値DC1～5Vのスパンは4Vで、これは、設定可能範囲DC－10～10Vのスパン20Vに対して20％であって、「スパンを設定可能範囲の20％ 以上に設定した場合」に該当するため、入力精度は±0.05％です。 次に出力精度を求めます。設定値DC4～20mAは設定可能範囲DC0～20mAの80％であって、この場合も設定可能範囲の20％以上であるため、出力精度は±0.05％です。 基準精度は入力精度＋出力精度なので、双方を加算し、（±0.05％）＋（±0.05％）＝±0.10％ がこの場合の基準精度になります。 【例2】次に、同一の変換器について、入力をDC1～5V、出力をDC0～1mAに設定した場合を検討してみます。 入力精度は、例1と同じ±0.05％ですが、出力精度は、設定値DC0～1mAが設定可能範囲DC0～20mAの5％であり、これは設定可能範囲の20％以上という条件を満たさないため、±0.05％を超えます。 設定可能範囲の20％未満の出力スパンに関する精度は、出力スパンと反比例関係（図2）にあり、次のようにして計算で求めることができます。この場合、設定値のスパン5％は、±0.05％を保証する20％の1／4であり、したがって出力精度は±0.05％の4倍、±0.20％になります。 基準精度は双方を加算し、（±0.05％）＋（±0.20％）＝±0.25％となります。■ 注）詳しくは、本誌2004年1月号の「計装豆知識」をご参照く ださい。 【（株）エム・システム技研 開発部】 |
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