2004年6月号

エンベデッドコントローラ
(形式:R3RTU)

(株)エム・システム技研 企画室
は じ め に
 エンベデッドコントローラ(形式:R3RTU)は、エム・システム技研が「新計装システム『SCADALINX』」注1)の構想の下に鋭意開発を進めている高機能な多目的コントローラです注2)
 エンベデッド(=Embedded)とは、「埋め込まれた」、「組み込まれた」などを意味する言葉であり、マイクロプロセッサが内部に組み込まれた機器やシステムを「エンベデッド-(製品名)」と呼んだり、組み込む技術のことを「エンベディング技術」ということがあります。R3RTUも高性能なマイクロプロセッサを搭載した(組み込んだ)、R3シリーズの新ユニットとして「エンベデッドコントローラ」の製品名称を与えています。本稿では、R3RTUの概要とアプリケーション例についてご紹介します。

1.R3RTUの概要

 R3RTUは、リモートI/O「R3シリーズ」におけるファミリーユニットとして位置づけられた製品であり、R3シリーズの他のユニット(ベース、電源、通信、I/Oカード)と組み合わせて使用します。
 (1)R3RTUによるR3の構成
 図1にR3RTUカードを実装したR3シリーズの外観を示します。R3RTUは、I/Oインタフェース部としてR3シリーズの各種I/Oカードを使用し、またオープンネットワークとの通信には各種通信カードを使用できます。つまり、R3RTUを実装することにより、リモートI/OとしてのR3シリーズがきわめて高性能な「頭脳」を得たことになります。さらに、R3RTUカード自体もLAN接続やシリアル通信のポートをもち、またCFカードスロットやビデオインタフェースも備えているので、コンパクトな現場設置形PCとしての役割を果たすこともできます。
 (2)R3RTUの主な仕様
 表1にR3RTUの主な仕様を、図2に機能ブロック図を示します。R3RTUでは、クロック速度が400MHzという高性能なCPUを採用していますが、同時に現場設置の環境で連続稼働が可能な高い信頼性も確保しています。

2.R3RTUの応用

 R3RTUは、搭載するソフトウェアの内容によって様々な機能を実現できるため、多様なアプリケーションを目的として使用することができます。以下に、その代表的なアプリケーション例をご紹介します。
 (1)マルチループコントローラ
 図3は、R3RTUにMsysNetのファンクションブロック相当の機能を組み込み、マルチループコントローラとして応用した例です。R3シリーズがネットワーク分散型のDCSと同等な機能を獲得し、PID制御をはじめとする連続制御やシーケンス制御を実現します。
 (2)ブラインド形チャートレス記録計
 図4はR3RTUにデータ記録用のソフトウェアを組み込み、ブラインド形チャートレス記録計として応用した例です。データは、R3RTUのCFカードメモリに蓄積され、これをオフラインのPCレコーダソフト(形式:MSR128)にアップロードして表示、解析することができます。また、LANに接続されたPCレコーダソフトからはリアルタイムでデータを監視、記録することができます。

お わ り に
 本稿でご紹介したR3RTUの応用例はほんの一部に過ぎません。前述のように、R3RTUが実現する機能は、ソフトウェアの内容に応じて様々な可能性を秘めています。たとえば、「現場設置形のWebサーバ」や「ソフトPLCのプラットフォーム」などの用途は、R3RTUの特性を活かした有効なアプリケーションとして期待できます。
 これらについては、今後稿を改めて順次ご紹介していきたいと考えています。■

注1)本誌2004年3、4月号の「新計装システム「SCADALINX」(その1)、(その2)」参照。
注2)本製品は2004年8月末に発売する予定です。

MsysNetSCADALINXは、エム・システム技 研の登録商標です。
 
 
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