2004年7月号 | |||||||
計装豆知識◆◆ 変換器の仕様書の読み方について (7) ◆◆
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●複数の2線式伝送器に対して、動作用電源を分 配供給(ディストリビュート)する ●2線式伝送器から受信した信号を、必要に応じて 信号変換した後、記録計、調節計、計算機など複数の機器へ分配供給(ディストリビュート)する しかしその後、状況が変化して、現在では上記の機能において、必ずしも複数の機器を対象にしない、すなわち、「電源供給や出力信号が1つだけのもの」をも指すようになっています。したがって、エム・システム技研では、「2線式伝送器(1台のみの場合も含む)へ電源供給するとともに、受信した信号を必要に応じて信号変換した後、他の機器(1台のみの場合も含む)へ出力する工業計器」という意味で使用しています。
そこで、今回は、最近エム・システム技研が販売開始した「超小形端子台形信号変換器 M5・UNITシリーズ」のディストリビュータ(形式:M5DY)を例にとり、その仕様書に記載されている供給電源仕様に関する事項を順次ご説明します。 ![]() a)2線式伝送器用電源 電圧範囲 図1における、 3 - 4 間の電圧を指します。なお、「無負荷時」は、 3 - 4 間に何も接続しない場合の端子間電圧を、「DC20mA負荷時」は、 3 - 4 間にDC20mAの電流が流れたときの端子間電圧を指します。 b)2線式伝送器用電源 電流容量 2線式伝送器あるいは、他の負荷を 3 - 4 間に接続した状態で、流す電流を増加していくとある点で徐々に電流制限がかかり、電流が直線的に増加しなくなります。この点、すなわち、直線的に電流が出力される上限電流値を示します。 c)短絡保護回路 制限電流 先の電流容量の値を超え、さらに電流を流していくと、電流が制限されて、ある値を超えては増加しません。この最大値、すなわち、流れる電流の上限値を示しています。 d)短絡保護回路 許容短絡時間 誤接続などにより2線式伝送器用電源の出力を短絡した場合、短絡している時間がどの程度までなら問題ないかを示しています。 今回は、ディストリビュータ用仕様書の記載内容について説明させていただきました。さらに詳細について、また説明に不明な点がございましたらエム・システム技研ホットラインまでお問い合わせください。 次回は、ディストリビュータを実際にご使用になる場合の注意点や、機器の適切な組合せについてご説明します。 ■ (次号につづく)
【(株)エム・システム技研 開発部】
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