2004年11月号
遠隔監視のアプリケーション No.4

Webロガーのアプリケーション
- 無線通信方式「CPA」-

 今月は、Webロガーの通信媒体としても利用できる、新しい無線通信方式「CPA」についてご紹介します。

「CPA」とは?
 最近、KDDIは、auの携帯電話網を利用する無線データ通信サービスを新しいビジネスとして展開しています。このサービスを利用するための端末として専用の「通信モジュール」が用意され、通信モジュールとユーザーのセンター設備間のデータ通信には、パケット交換接続方式が採られています。この通信方式が通称CPA(CDMA 注1) Packet Access)と呼ばれています。
 CPAを利用した、Webロガーによる遠隔監視システムの構成例を図1に示します。図中に示す、Webロガーに接続されている通信用機器(CPTrans)がCPAの「通信モジュール」を搭載したパケット通信端末です(図2)。

CPAの特徴
 前述の説明ですでにお気づきの読者の方もいらっしゃると思いますが、CPAは、NTT DoCoMoが提供している携帯電話網を利用するパケットデータ通信方式「DoPa注2)」に類似しています。実際、CPAはDoPaとほぼ同等なアプリケーション、市場を狙いとしているようです。そこで、CPAの主な特徴をDoPaとの比較において以下に示します。
 <利 点>
 (1)端末1台当たりの通信コストが低い(表1参照):パケット料金単価=0.1円/パケット(→ DoPa:0.2円/パケット)、また回線がつながるまでの接続手続きに要するパケットが無料(→ DoPa:有料)。
 (2) 回線が切れにくい:常に3箇所の接続候補基地局を探索し、状況に応じて最適な基地局に選択接続(→DoPa:1箇所の基地局)。
 (3)通信スピードが速い:下り144kbps/上り64kbps(→ DoPa:上り、下りとも9600bps)。
 (4)端末には、無線によるID情報(電話番号など)の書き込みが可能:設置後、必要な時点から電話番号の取得が可能。それまでは課金なし(→ DoPa:端末購入時点から課金)。
 <問題点>
 (1)ユーザーのセンター設備とKDDIのテクニカルセンター間を専用線で接続する必要がある:専用線利用料が比較的高額(約10万円/月)であり、端末数が少ない場合に不利(→ DoPa:ISDN回線、もしくは専用線で接続)。
 (2)通信端末の機種が少なく入手先が限られている:現在、(株)日立産機システムだけが販売している(→ DoPa:専用端末の「MobileArk」は全国のDoCoMoショップで入手可能) 。

CPAとWebロガー
 CPAの出現により、Webロガーが利用できる無線通信媒体(携帯電話網)の選択肢が1つ増えました。今後は、ユーザーのご要求や設備条件に応じてDoPaもしくはCPAを適宜利用することで、様々なアプリケーションに対応した最適なWebロガーのソリューションをご提供させていただきたいと考えています。

注1)CDMA(Code Division Multiple Access=符号分割多元接続)
注2)DoPaについては、本誌2003年6月号の「計装豆知識」に概説を掲載しました。ご参照ください。
注3)オプション契約の高速通信サービスを利用した場合。オプション契約なしの場合は、下り、上りとも14.4kbps。

【(株)エム・システム技研 企画室】
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