2004年11月号 | ||||||||||||
リモートI/O R3シリーズに
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(株)エム・システム技研 開発部 |
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R3シリーズは、多種類の入出力信号に対応できるR5シリーズのビルディングブロック方式と、R1シリーズの特長の一つである多チャネル方式を共に取り入れることにより、多種類の入出力信号への対応をコストを抑えつつ実現したものです。また、R1シリーズ、R5シリーズと同様、主要なオープンフィールドバスに対応できるよう、Modbus、Modbus/TCP、CC-Link、DeviceNetに対応した通信カードを用意しています。そして、このたび新たにLONWORKS 注)対応のR3シリーズ用通信カードを開発しました。 LONWORKSは、その特長としてニューロンチップによる自律的なデータ伝送能力および配線についての高い自由度をもち、ビルの空調や電力管理に幅広く採用されているオープンネットワークです。 今回は、R3シリーズ用として新たに開発したLONWORKS対応通信カード(形式:R3-NL1)についてご説明します。
LONWORKSではニューロンチップを採用しています。このICは電圧などのデータを他の機器に伝送する処理を自律的に(設定に従って、入力データの変化時や一定時間ごとに)実施することができます。したがって、たとえば入力モニタ用PCが異常を起こした場合にも、LONWORKS機器同士で入出力間のデータ伝送を正常に実行できます。 また、R3-NL1ではLONWORKSで定義されているFTT-10Aと呼ばれるトランシーバを採用しています。その特徴として、配線に関しての自由度が高いことが挙げられます。RS-485規格などでは、すべての機器間を必ず渡り配線する必要があり、増設する場合は配線を引き直す必要がありますが、FTT-10Aでは配線の途中から分岐することが可能です。このため、ビルなどで配線の引き直しに手間がかかる場合にも、アクセス可能な場所から線を分岐することができ、配線の引き直しなしで機器の増設が可能です。
工場出荷状態でのR3-NL1は、電圧入力や温度入力の場合は8点、接点入力の場合は128点を入力できます。 出力については、電圧出力なら8点、接点出力の場合は128点を出力できます。 入力出力とも、電圧や温度と接点信号といった組み合わせが可能で、たとえば、電圧入力4点、接点入力64点といった組み合わせにも対応可能です。 また、LONWORKSのインテグレートツール上(ECHELON社のLonMakerなど)でAPBファイルとXIFファイル(表1参照)をR3-NL1にロードすることによって、工場出荷時の状態で電圧入力8点、出力8点のところを、入力だけ16点あるいは出力だけ16点というように変更できます。たとえば入力だけとした場合、電圧や温度入力なら16点、接点入力なら256点まで入力できます。出力だけとした場合も同様です(XIFファイル、APBファイルはエム・システム技研ホームページ https://www.m-system.co.jp/からダウンロードできます)。 (2)入力、出力の種類 R3-NL1では、入力の種類として直流電圧入力、直流電流入力、ディストリビュータ入力、ポテンショメータ入力、交流電圧入力、交流電流入力、熱電対入力、測温抵抗体、接点入力に対応しています。また出力の種類としては、直流電流出力、直流電圧出力、接点出力に対応しています。 (3)R3-NL1の入出力のインタフェース LONWORKSでは機器の入力データ、出力データにそれぞれ名前(ネットワーク変数)が割り当てられています。また、機器の1機能単位(ファンクショナルブロック)が定義され、LonMaker上で設定を行う際に使用します。R3-NL1ではI/Oカードの1チャネルに1ファンクショナルブロック(GetValue、SetValue)が割り付けられていて、その中にネットワーク変数(nvoVal、nviVal)が定義されています(図4)。ネットワーク変数については、一つひとつそのデータの型(パーセント、温度、16接点)をLonMakerによって設定する必要があります。
そのためには、お客様のご意見が欠かせません。ご意見やご提案がありましたら、どんなことでも遠慮なくエム・システム技研までお寄せください。 ■ 注)LONWORKSに関する詳細は、本誌2001年11月号の「計装豆知識」をご参照ください。 |
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