1998年7月号 | |||||
警報出力付ユニバーサル変換器(形式:JUA) | |||||
(株)エム・システム技研 開発部 | |||||
は じ め に 今回ここにご紹介する変換器は、現在開発を進めている製品であり、入出力の種類を自由に設定・変更できる機能を持つとともに警報出力を2点持つユニバーサル変換器(形式:JUA)です。 入力は、直流入力、熱電対、測温抵抗体、ポテンショメータの4種類の中から任意に選択できます。また直流出力については、一般的な4~20mAや1~5Vのほか、各種の信号レンジを自由に設定できます。 図1にユニバーサル変換器の外観、図2にブロック図を示します。 1.変換器の特長 (1)入力が自由 ●直流入力 電流入力についてはDC0.03~50mAの範囲、電圧入力についてはDC3mV~10Vの範囲で、バイアスがスパンの1.5倍以下の条件内なら自由にレンジを設定することができます。当然のことながら、一般的な4~20mA、1~5Vなどの信号に関しては、コード化することによって簡単に設定できるようにしています。 ●熱電対入力 B、R、S、N、K、E、J、Tに加えて、PR、WRe5-26の合計10種類の熱電対に適応できるほか、リニアライザ(100点対応)を用いることによって、特殊な熱電対に対しても対応可能です。冷接点補償についても、実績の豊かな冷接点センサを使用することによって、最小スパン50℃を可能にしています(E熱電対の場合)。 ●測温抵抗体 2線式および3線式で、Pt100(0 ℃における公称抵抗値が100Ω)の測温抵抗体に対応しています。とくに2線式では、配線抵抗の値をあらかじめ入力設定することによって、自動的に2線式特有の配線抵抗に起因する誤差を削除できます。 ●ポテンショメータ 一般的なポテンショメータ変換器の入力仕様と同様、100Ω~10kΩの範囲のポテンショメータに対応しています。また、リニアライザを使用することによって出力特性も自由に設定できます。 (2)出力が自由 出力には直流出力と警報出力を設けています。 まず直流出力信号については、スパンが8~20mA、4~12Vの範囲で自由に設定可能です。入力と同様、一般的な信号に関してはコード化していますから簡単に設定できます。また、入力の極性を反転して出力することも可能です。 警報出力としては、上下限設定が可能なようにc接点を2点搭載しています。この2点については、上下限設定だけでなく上上限、下下限にも設定できます。またヒステリシスは、それぞれの警報に関して0~100%の範囲で設定できます。なお、接点定格については、AC200V系が直接投入、遮断できるリレーを採用しています。 2.設定方法 ユニバーサル変換器の設定については、数多くの項目を設定する場合があるため基本的にはパソコンを使って設定します。ただし、現場でも設定変更や模擬出力設定などが簡単に行えるように、従来からご使用いただいているプログラミングユニット(形式:PU-2□)を使った設定もできるようにしています(図3参照)。 パソコンを使った設定については、専用ソフト(形式:SJUA)を用います。図4に設定画面の例を示します。画面上部から順次目的の項目を選択し、設定するだけで変換器の仕様が決定されます。その後、パソコンとユニバーサル変換器を接続しダウンロードすることによって、ご希望の変換器が誕生します。変換器本体には入出力切換用のスイッチが設けられていて、入力の種類や出力の電流・電圧信号の切換を行っています。 パソコンを使用するメリットは、データ処理が容易になることです。すなわち、変換器のアップロード、ダウンロードなどのデータ処理や管理、一般的な表計算ソフトによって計算したデータをリニアライザのデータとして使用するなど応用範囲が広がります。 お わ り に 以上ご紹介してきたとおり、ユニバーサル変換器はソフトによる仕様変更が容易で、便利な変換器です。ただし、設定のパラメータが多岐にわたるため出荷時には、直流入力変換器としてパラメータを設定させていただきます。また、工場内設定の替わりに、ご紹介した専用設定ソフトを変換器に添付する予定です。 今回は紙面の都合で紹介できませんでしたが、バーンアウトの方向設定や温度測定用変換器として設定した場合の温度単位の変更(たとえば、℃を゜Fに変更する)など、ユニバーサル変換器は、さらに多くの機能を持っています。また、海外規格UL、CEにも対応できるように開発を進めていますから、広く世界中でご使用いただけます。 ■ |
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