1998年8月号 | |||||
お客様訪問記岡山市水道局鴨越浄水場の凝集剤注入制御システム | |||||
エム・システム技研 営業技術部 | |||||
岡山市水道局鴨越浄水場の凝集剤注入制御システムにMsysNet製品が採用され、稼働しています。 今月は鴨越浄水場を訪ね、同浄水場主任の尾河賢一様にお話を伺いました。 鴨越浄水場は岡山市東部を流れる吉井川沿いに位置し、同市西大寺地区(旧西大寺市一円)の約2万戸(給水人口約7万人)に、1日平均約2万m3(送水能力は1日あたり3万m3)の水道水を供給しています。 [エム・システム技研、以下エムと略称]エム・システム技研のワンループコントローラを導入された経緯について教えてください。 [尾河]凝集剤注入の既設設備で使用していたプログラム調節計の保証期間が過ぎ、リプレースの時期にきていました。 この設備の調節計では比例制御を行っていますが、少し凝った制御をしているため、入出力信号が多数必要です。この調節計のリプレースにあたっては、従来と同じような制御ができることが最低条件でした。このため、制御を行う上で必要な入出力信号の組み合わせなど、ハードやソフトに柔軟性が必要でした。 各社の調節計を検討しましたが、鴨越浄水場が必要とする仕様を満たし、またコスト的にも満足できる製品は見つかりませんでした。 温度調節器を比例制御に使うことも検討しました。しかし、コスト面では経済的ですが、制御面での要求を満たすことができませんでした。 ちょうどそのころ、エム・システム技研が岡山市内で「水道計装のセミナー」を開催し、それに参加したのが導入のきっかけでした。そこで、エム・システム技研のワンループコントローラを知り、実機にふれて「これを使えばできるのではないか」との感触を得ました。 その後、エム・システム技研から実機を借りて、評価しました。その結果、機能的にもコスト的にも、我々の要求を満たすことがわかり、導入することにしました。 [エム]導入した機器の概要を教えてください。 [尾河]今回の設備は、凝集剤注入ポンプの制御用であり、実稼働の3ループと予備1ループ分です。それぞれのループは、ワンループコントローラ(形式:ABE)1台、アナログ信号入出力用ユニット(形式:SML-R3)1台、接点入力用ユニット(SML-A4)1台の組合せで構成されています(図2参照)。そして、それらをネットワーク(NestBus)で結び、監視室にオペレータズユニット(形式:OPU)を置いて監視・操作しています。 [エム]エム・システム技研はハードの単体販売しかしませんが、今回のシステム構築はどちらで行われましたか? [尾河]調節計に設定するソフト、オペレータズユニットの画面構築ともに、自分たち鴨越浄水場のスタッフが行いました。 調節計に組み込むプログラムの基本的な考え方が、リプレースすることになっていた調節計と似ていました。そこで、リプレースする調節計のプログラムを、今回導入したワンループコントローラ(ABE)のプログラムに置き換えることが比較的容易でした。しかし、詳細部分については、わからないことがたびたび出てきました。その都度、エム・システム技研に問い合わせ、解決して行きました。 フリーダイヤルの「ホットライン」に技術的な問い合わせをすると、エム・システム技研の営業技術の人たちが柔軟に対応してくれ、問題を解決して行くことができました。 [エム]導入のご感想をお聞かせください。 [尾河]鴨越浄水場で必要とした機能をもち、価格が安いので満足しています。ABEはコンパクトな反面、入出力点数が限定されていますが、入出力ユニット(SML)を増設することで補うことができます。また、入出力ユニットでも豊富な演算機能を使用することができるので、調節計に渡す前に信号の演算処理ができることがいいですね。このため、調節計1台だけでは処理できないような複雑なシステムの場合でも、複数の機器をネットワークで接続し、分散させることで処理が可能になります。 今回のシステムのほかにも、SMLを演算器として使用しています。従来の変換器では、たとえば信号のリニアライズに1台、加算器として1台というように、複数の変換器が必要なところを1台で済ませられました。 [エム]何かご要望はありますか? [尾河]今回はタイミング良く岡山でセミナーが開催されました。今後も地元で、実機をさわることができるような講習会を行っていただきたい。また、ユーザーと話をして、ソフト面などにユーザーの意見を反映して欲しい。 [エム]いろいろと貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。 ■ |
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