1998年9月号 | |||||
お客様訪問記発電所遠方監視制御装置へのDAST-30納入例 | |||||
エム・システム技研 東京営業部 | |||||
関東中部の某水系の発電管理事務所に、遠方監視制御装置としてエム・システム技研のDAST-30が納入され、すでに稼動しています。この設備に関して、設計から機種の選定、施工と設備の完成に至るまで、実際の作業を担当されたユタカ電機株式会社の斉藤重歳様に、その経緯と概要を伺いました。 なお、この発電管理事務所は、管轄する水系の発電所の中でも最大規模をもつ発電所の水系を制御・管理し、発電出力17,000kWを有しています。 [エム・システム技研、以下エムと略称]エム・システム技研のスーパーテレメータ(形式:DAST-30)をご導入いただいた経緯について教えてください。 [斉藤]今回の工事は発電総合管理所の建設に関する付帯工事であり、発電所の遠方監視制御設備の改良と新設された発電総合管理所にデータを伝送することを目的としていました。 製品の信頼性と保守性およびコストなども当然重要ですが、現場の状況に対応できる仕様が第一条件でした。 本工事では、テレメータを収納する新設盤を、既設盤撤去後の同一場所に据え付けるため設置場所に余裕がなく、盤の収納スペースも限られていました。取付けるテレメータとしては、コンパクトであるとともに入出力点数が将来増える場合にも容易に対応できる機種であることが必要でした。これらを総合的に検討した結果、DAST-30の導入に踏み切りました。 [エム]今回導入した機器の概要を教えてください。 [斉藤]今回の設備は、発電管理事務所と3つの発電所間で3回線を用いて信号を伝送します。回線の内訳は、50bpsのNTT専用回線を使用して接点9点、アナログ1量を伝送し、また2本の300bpsの自営線を使用して、接点18点、アナログ2量の伝送を行います。これら3回線の機器構成と総数は以下のとおりです。 ●接点入力ユニット(形式:SML-A4)6台 ●接点出力ユニット(形式:SML-C8)6台 ●アナログ入力ユニット(形式:SML-M4)3台 ●アナログ出力ユニット(形式:SML-G4)3台 ●モデムインタフェース(形式:SMDM)6台 ●50bps用モデム(形式:MOD1)2台 ●300bps用モデム(形式:MOD2)4台 ●通信回線用避雷器(形式:MDP-MFA)2台 ●テレメータ用避雷器(形式:MDP-FT)4台(図1参照) [エム]ご苦労なさった点がありましたらお聞かせください。 [斉藤]エム・システム技研製品については、納入と収納盤への取付け、配線および動作チェックまでトラブルもなく、作業は順調に進行しました。しかし、伝送速度50bpsの制約から、ON時間の短い接点信号を送れない現象が出ました。外部にタイマーを追加して接点信号のホールド時間を長くすれば解決するのですが、タイマーを新たに取付けるスペースがなく、何か対策がないかエム・システム技研に相談したところ、接点入力ユニットに内蔵されているタイマー機能を利用することで即刻解決しました。後日、その構築ソフトを3.5インチのフロッピーディスクにコピーしたものを送ってもらい、私が現場でユニットにインストールすることにより作業は無事終了しました。 ソフトの取扱いもここまで簡単に操作できると大変助かりますね。 [エム]DAST-30導入のご感想をお聞かせください。 [斉藤]テレメータとしての信頼性、取扱い易さとコンパクトな構造には満足しています。盤を設計、製作する立場からすると、これらが製作コストを下げる直接の要因にもなります。もちろん製品自体の低価格も大きな魅力です(図2参照)。 [エム]DAST-30の入出力ユニット(形式:SML)は、NestBus(ツイストペアケーブル)の接続だけで機能的につながりますからユニットの増減が容易です。ユニットの連接取付けができない場合でも最大1kmまでNestBusを延長することができますから、盤の設置条件などのため一箇所に収納できないときでも充分対応できます(図3参照)。 [斉藤]小規模な設備では、入出力点数が一箇所に集中する場合より比較的分散される場合が多いため、ユニット間の距離を最大1kmまで延長できる機能は役立ちます。また 、設備によっては入出力仕様が多種多様にわたりますから、ユニットの機種が豊富に揃っていることが必要です。回線に関しては、既設の自営線からNTT専用回線に切換える場合があり(その逆もある)、モデムの機種変更だけで、入出力ユニットをそのまま利用できる点も大きな魅力です。 [エム]何かご要望はありますか。 [斉藤]今後も、コンパクトで取扱いが簡単な製品の開発に期待します。不必要な機能を付けてオーバースペックになり、製品が高価にならないようにして欲しい。なお、エムエスツデー誌は毎月読んでいます。 [エム]貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。 ■ (敬称は省略しました) |
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