1999年5月号 | |||||||
DCS用、絶縁2出力 超小形信号変換器
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(株)エム・システム技研 開発部 | |||||||
は じ め に 今回ご紹介する超小形信号変換器「ピコマルシリーズ」は、プロセス計装のDCS(Distributed Control System;分散型制御システム)用として開発した、絶縁2出力の変換器です。 第1出力はコンピュータへ、また第2出力は従来の制御ループへ渡せるように設計しました。 小形ながら、第2出力には電流出力も用意し、その許容負荷抵抗は最大300Ωです。この場合、配線抵抗を考慮しても、一般に必要とされる250Ωの受信抵抗には十分対応可能です。 以下に、この超小形信号変換器「ピコマルシリーズ」の機能と特徴をご紹介します。 1.特 徴 ●入力アイソレータ2出力(4ポート絶縁)で20,000円。思いきった価格破壊を行いました。 ●ダウンサイジングを行い、19インチラックに16chを収納し、2重化電源も用意しています。 ●ISO9001を認証された工場から、品質の高い製品を供給します。 ●フィ-ルドで起こる様々なノイズ環境に配慮し、ノイズ規格ANSI.IEEE-C37.90.1-1989注1)に準拠しています。またCE-EMC指令.電磁適合性指令89/336/EEC注2)に適合させます。 ●端子台の配線を外さずにネストに対して着脱でき、変換器の精度チェックや調整などが容易に行えます。 ●省エネ設計を行い、変換器の消費電力を従来の当社変換器比で15%削減しました。小形ながら、長寿命の電解コンデンサを採用しています。 ●多様な入力仕様に、フレキシブルに対応可能です(たとえば、DC 3~5V、K熱電対200~600℃など)。 ●アナログ16点を一括接続。PLC、DCSメーカーのそれら機器との接続用コネクタを用意しています。 ●変換器には、個別にスローブローヒューズを装備しているため、安心してご使用になれます。 ●豊富な機種を用意しています。 2.出力仕様 ●絶縁2出力 第1出力信号/第2出力信号 DC 1~ 5 V/DC 4~20mA DC 0~10 V/DC 0~10 V DC 0~ 5 V/DC 0~ 5 V DC 1~ 5 V/DC 1~ 5 V ●電流出力の許容負荷抵抗 (出力レンジ) DC4~20mA:300Ω以下 ●電圧出力の許容負荷抵抗 (出力レンジ) DC0~10V:5000Ω以上 DC0~ 5V:2500Ω以上 DC1~ 5V:2500Ω以上 3.入力仕様 (1)入力アイソレータ(形式:M8YV、価格20,000円) ●電流入力 入力抵抗:入力抵抗器を内蔵しています。 入力レンジ: DC4~20mA、 DC2~10mA、 DC1~5mA、 DC0~20mA、 DC0~16mA、 DC0~10mA、 DC0~1mA、 DC10~50mA ●電圧入力 入力電圧範囲:DC-10~+10V スパン:DC1~10V 入力バイアス: 入力スパンの1.5倍以下 (2)直流入力変換器(形式:M8VS、価格25,000円) 入力電圧範囲:DC0V以上1V未満 スパン:DC3mV以上1V未満 入力バイアス:入力スパンの1.5倍以下 (3)カップル変換器(形式:M8TS、価格35,000円) (4)測温抵抗体変換器(形式:M8RS、価格30,000円) (5)ポテンショメータ変換器(形式:M8MS、価格30,000円) 入力信号:全抵抗値100Ω~10kΩ 最小スパン:全抵抗値の80%以上 基準電圧:DC0.5V 4.変換器ユニット共通仕様 ●設置仕様 供給電源:DC 24 V±10 % 約35 mA(電流出力時 約65mA) (リップル含有率10 %p-p以下) 使用温度範囲:0~55℃ 使用湿度範囲:30~95 %RH(結露しないこと) 取 付:多連取付用ベース(形式:M8BS□)に取付 寸 法:W 17.5×H 48×D 75 mm 重 量:約70 g お わ り に 今回ご紹介した超小形信号変換器「ピコマルシリーズ」は、フィールドとコンピュータをより経済的に結びつけるために開発した製品です。また、フィールドから入ってくるノイズに対しても十分配慮しています。 信号変換器として、表1に示すような多くの種類を用意しました。なお、さらに豊富な機種を揃える予定です。 仕様についてさらに詳しい情報がご必要の方は、エム・システム技研のホットラインまでご連絡ください。 ■ *ピコマルは商標登録出願中です。 注1)ノイズ規格ANSI.IEEE-C37.90.1-1989では、変換器の入力、出力、電源にノーマルおよびコモンモードで2.5kVの減衰振動波を印加します。さらに波高値4kVのノイズを上記モードで印加します。 注2)CE-EMC指令.電磁適合性指令89/336/EECについては、『エムエスツデー』1996年10月号4、5ページをご参照ください。 |
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