1998年5月号 | |||
『エムエスツデー』 7周年記念のごあいさつ | |||
(株)エム・システム技研 代表取締役社長 宮道 繁 | |||
『エムエスツデー』をご愛読いただき、ありがとうございます。 計装に関係ある仕事をしておられる皆様方に、少しでも読みやすくお役に立つ雑誌を目指して、発行を続けて7年が過ぎました。 バブル崩壊後9年も経つのに、未だに出口が見えないのは困ったものです。そこに、東南アジア、東欧、そして南米へと通貨危機が拡がり、世界のお金がアメリカへ集中して、金融バブルを引き起こしていると言われています。足元の日本では、赤字国債の大量発行による懸命の景気浮上策が取られているのに、銀行の貸し渋りは解消されそうにありません。この時期には、企業は勝ち組と負け組に2極分化が進む、と言われています。では、勝ち組に入るにはどうすれば良いかですが、やはり社会環境の変化を味方につけ、積極果敢に事業展開をすることだと考えて、エム・システム技研は行動を開始しています。 まず、通信の世界が大変化を遂げつつあります。世界中に光ファイバが張り巡らされ、まもなく、各事業所や家庭に至るまで、高速回線が行き渡るようになるでしょう。すでに、携帯電話は日常のものとなり、工業計測にも利用のチャンスが出てきました。次にパソコンが、計装の主力機器としての地位を固めつつあります。激しいコスト競争と、性能競争を勝ち抜いたパソコンは、強力な機能を備えて、パソコンで実現できる多くの製品を駆逐吸収して活躍の場を拡大し、計装システムのマンマシンインタフェースのマーケットまで席巻しつつあります。また、通信機能も充実し、遠隔監視設備のデータサーバとして、新しいマーケットを確立することでしょう。 その次に、情報のデジタル化と、電子部品の小型化が挙げられるのではないでしょうか。テレビ、電話など通信方式は刻々とデジタル化に向かい、携帯電話などの小型軽量化を可能にした電子部品の小型化は、当然、計測器を構成する電子機器の小型化にも波及し、小型高機能、低価格を実現してゆきます。 この流れの中に、システムとしての計装システムは、それを構成する機器が小型安価、高性能になることで、ハード的には大幅なコストダウンを実現することが容易に見通せます。しかし、一方において、システム構築を行うシステムインテグレータの作業を、ユーザーか、限りなくユーザーに近い人達によって行われなければ、時間的にも、コスト的にも見合わなくなったり、少ないコストで不具合に対応できる体制が構築できなくなるという問題が、クローズアップされるものと思われます。 エム・システム技研では、全国の計装機器の供給を担当する、エンジニアリング力のある商社に声をかけて、MsysNet計装部品シリーズのシステム販売をする会社群を形成するために、エムシスネットクラブメンバーを募集したところ、70社を超える会社が、名乗りを上げてくださり、昨年秋にクラブを発足することができました。この人達が地元密着で、ユーザーの方々と頻繁に接触することで、最新のシステムを、ユーザーのご希望を充分入れながら構成していただく形ができあがりました。増設、改造、不具合処理など、いつでも必要なときに、地元だけで行える形になり、ハードのコストに見合ったサービスが手早く行われるものと期待されています。 もちろん、あらゆるトラブルに対してエム・システム技研は責任を負いますが、実際には、機器に起因するトラブルはほとんどなく、使い方が正しくなかったとか、不慣れによる操作ミスが多く、この体制で大部分の問題は解消するものと思われます。 最後に、商品情報をいかに素早く、全世界のユーザーに正確に伝えるかが、業況発展の鍵を握るものと思われます。インターネットの発達は、従来の紙による情報伝達の手段を一変させるものと思われます。常にアップデートされた美しい画面によるインターネットホームページは、事業規模によるハンディキャップを追放し、中小企業でも世界に立派な製品情報を伝え、ユーザー獲得ができるものと思われます。『エムエスツデー』の創刊号から、各号の内容をインターネットで見られるようにしています。 21世紀に向けて、読者の皆様とともに、密接に情報交換を進めることで、発展を期して参ります。よろしくご声援の程をお願い申しあげます。 ■ |
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