| １９９９年９月号 | |||||
携帯電話テレメータ
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| （株）エム・システム技研 開発部 | |||||
| は じ め に 日頃からエム・システム技研のテレメータ用機器をご愛用いただき、ありがとうございます。 最近は携帯電話やポケベルの目覚しい普及によって、数年前には考えられなかったほど、情報の伝送手段が多様化しています。エム・システム技研では、従来より専用回線、一般公衆回線を使用した遠隔信号監視装置、多重伝送装置などのユニットを販売していますが、今回新たに携帯電話を使用したテレメータシステムを開発し、発売しましたので、ここにご紹介します。携帯電話やポケベルには“設置、移動が簡単”という特徴があり、遠隔信号監視設備が緊急に必要な場合や、データ収集を一定期間だけ行う設備が必要になった場合などに、その効果が発揮されます。 以下、携帯電話を伝送ネットワークに使用した、エム・システム技研のテレメータシステムについてご説明します。 1．携帯電話対応ネットワーク計装部品 ネットワーク計装部品「MsysNet」は、計装機能の部品化とネットワーク統合をキーコンセプトとして設計されています。また、テレメータ機能（遠隔監視、遠隔操作、制御機能）もその主要な機能要素として各種の専用ユニットがラインアップされ、様々なテレメータシステムを構成することができます。 図1は携帯電話対応直入力ユニット（モデムインタフェース 形式：SMM）であり、これに携帯電話を接続してデータの遠隔伝送を行います。機器構成としては、SMMにNTTドコモ社提供のモバイルデータアダプタを接続し、このアダプタと携帯電話が接続されます。モバイルデータアダプタと携帯電話には常時通信を可能にするために、電源供給用のACアダプタを使用しています。ACアダプタを使用することにより、モバイルデータアダプタの電池切れや、携帯電話の電池切れなどの問題が解消されます（NTTドコモ社製品はお客様にてご用意ください）。 図3、はネットワークで収集されたデータを遠隔地との間で多重伝送するための携帯電話インタフェース（モデムインタフェース 形式：SMDM）を携帯電話に接続したものです。この場合も直入力ユニットの場合と同じように、インタフェースとモバイルデータアダプタを接続し、これに携帯電話を接続してデータ伝送を行います。 図4は、モデムインタフェース（SMM、SMDM）などMsysNet計装部品がもつ電話回線端子ブロックの端子接続図です。 電話回線端子ブロックの役割は「電話の接続と切断」および「他のネットワーク計装部品であるSMMやSMDMなどのユニットに内蔵される機器間伝送端子相互を結びつけること」です。通信先の相手局を16局まで設定することができ、自局にかかってきた電話が間違い電話ではなく、正常なデータ通信用の電話であることを確認するためにパスワードも用意されています。また、電話をかけた相手が話し中であった場合には、リダイヤルを行います。なお、リダイヤルの待ち時間は任意に設定することができます。 2．携帯電話の通報機能 遠隔地データの収集を携帯電話という設置、移動が容易であるという特徴を活かして信号監視装置に使用することができます。 図5はMsysNetがもつ、ポケベル宛にメッセージを送信するための接続を設定するポケベル端子ブロックです。 遠隔地の信号監視装置に携帯電話を接続しておき、異常が発生した場合に、あらかじめ設定されているメッセージを文字列でポケベルに通報することができます。メッセージを送信する宛先ポケベルを5箇所まで設定することができます。 また、発生した事象ごとに、どのポケベル宛にメッセージを送信するかは、MsysNetがもつシーケンス制御ブロックにおいて設定できます。 お わ り に 今日、携帯電話を利用することによって、通信回線の設置を必要とせず簡単な設置工事だけで、遠隔地の信号監視やデータ収集が行えるようになったことから、従来は設置工事などの関係で不可能と考えられていた場所の、無人化信号監視が可能になりました。また、携帯という名前のとおり、移動しながらのデータ収集や信号監視もできます。 エム・システム技研は、お客様が必要とされる目的に合った通信回線を利用して、信号監視装置、多重伝送装置を実現させるための各種テレメータ機器をご提供します。エム・システム技研は、今後も携帯電話を利用する信号伝送用機器の開発を進めて参りますので、ご期待ください。 ■ ＊MsysNetはエム・システム研の登録商標です。 |
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