2002-2003計装豆知識
- NEMA規格の電気機器用容器/2003.12
- 特定小電力無線局/2003.11
- 1ポート形と2ポート形避雷器/2003.10
- USB/2003.9
- IPコード/2003.7
- DoPa/2003.6
- 高調波について/2003.5
- 測温抵抗体の導線方式/2003.4
- ダイヤルアップルータとブロードバンドルータ/2003.3
- 交流の測定/2003.2
- ロータリエンコーダ/2003.1
- セルシン/2002.12
- IPv6/2002.11
- ADSL/2002.10
- 避雷器の応答時間/2002.9
- ネットワークトポロジ/2002.8
- アイソレータの必要性/2002.7
- Ethernetケーブルとハブ(HUB)/2002.6
- 一般電話回線/2002.5
- 携帯電話とメール機能/2002.4
- テレメータ装置と専用電話回線/2002.3
- TCPとUDP/2002.2
- インターネットとイントラネット(2)/2002.1
エムエスツデー 2002年09月号
避雷器の応答時間
この時期、澄み渡った大空にムクムクと成長する入道雲は、大自然の雄大さを感じさせ、見るものに感動を与えてくれます。しかし同時に、入道雲は恐ろしい雷害の根源であり、いつも電子機器を破壊しようと狙っています。設備関係の皆様、はたして雷対策は万全でしょうか!
電子機器への雷害

誘導雷によってケーブルに加わる雷サージは、具体的には電子機器の線間にV1、線~接地間にV2・V3として現れます(図1)。V1は線間破壊として電子回路の破壊を、V2・V3は放電破壊として絶縁破壊を引き起こします。特にV1による線間破壊は、近年電子部品がますます小形化し、サージ電圧に対して弱くなっているため深刻です。短時間でもサージが加わると、電子回路は破壊してしまいます。このため、応答性に優れた避雷器を設置し、瞬時にサージの侵入を防ぐことが肝心です。
避雷器の応答性

そこで、エム・システム技研製避雷器の応答時間について説明します。エム・システム技研では、避雷器の応答時間を、『雷サージが加わってから、避雷器が放電を開始するまでの時間』と定義し、応答時間の測定は、幅1μsの電圧矩形波を印加して行っています。具体的には、避雷器の端子電圧が下がったときを放電開始とし、そこまでの経過時間を測定します。一例として出荷実績が豊富な「電子機器専用避雷器(形式:MDP-24-1)」について、その応答性を紹介しましょう。図2に線間の応答性を、図3に線~接地間の応答性を示します。線間の場合、電圧が加わった瞬間に端子電圧は下がっていて、応答時間はゼロともいえる高速応答性を示しています。線~接地間の場合、電圧が加わってから4ns経過後に端子電圧は下がっていて、nsオーダーの高速応答性を示しています。
近年、避雷器メーカーの中には、応答時間数nsをセールスポイントにしているところが見られますが、エム・システム技研製避雷器の応答時間も実力はns級ですから、瞬時にサージの侵入を防ぎ、電子機器を保護することができます。
【(株)エム・システム技研 システム技術部】