2002-2003計装豆知識
- NEMA規格の電気機器用容器/2003.12
- 特定小電力無線局/2003.11
- 1ポート形と2ポート形避雷器/2003.10
- USB/2003.9
- IPコード/2003.7
- DoPa/2003.6
- 高調波について/2003.5
- 測温抵抗体の導線方式/2003.4
- ダイヤルアップルータとブロードバンドルータ/2003.3
- 交流の測定/2003.2
- ロータリエンコーダ/2003.1
- セルシン/2002.12
- IPv6/2002.11
- ADSL/2002.10
- 避雷器の応答時間/2002.9
- ネットワークトポロジ/2002.8
- アイソレータの必要性/2002.7
- Ethernetケーブルとハブ(HUB)/2002.6
- 一般電話回線/2002.5
- 携帯電話とメール機能/2002.4
- テレメータ装置と専用電話回線/2002.3
- TCPとUDP/2002.2
- インターネットとイントラネット(2)/2002.1
エムエスツデー 2003年3月号
ダイヤルアップルータとブロードバンドルータ
ダイヤルアップ接続とダイヤルアップルータ(dial-up router)
電話回線を通じてパソコンなどのコンピュータをネットワークに接続することをダイヤルアップ(dial-up)接続といいます。ダイヤルアップ接続は、インターネット(internet)への接続方法としても広く利用されています。なお、これらは電話回線を利用した通信であるため、接続している間はもちろん通話料金が課金されます。ダイヤルアップ接続するためには、アナログ回線ではモデム(modem) 注1) が、ISDN(デジタル)回線ではDSU(Digital Service Unit) 注2) やTA(Terminal Adapter) 注3)などの機器が必要になります。通信速度はアナログ回線では最大56Kbps、ISDN(デジタル)回線では最大128Kbpsとなります。これらの機器から電話回線に接続する際は、あらかじめダイヤルアップネットワークウィザードを使用してパソコンに接続先(電話番号)を登録しておき、接続の際には、(マウスなどによって操作し)このウィザードを起動することによってダイヤルが開始されます。

ところで最近は、上記の操作を自動化する便利な機器が出現しており、これらは一般にダイヤルアップルータ(図1参照)と呼ばれ、次のような大変便利な機能をもっています。
① 外部ネットワークとの接続が必要なときにだけ、自動的に電話回線への接続を行います。たとえばインターネットを使用する際、ブラウザの起動により自動的にプロバイダへダイヤルします。
② 無通信時間の監視による自動遮断を行います。
無通信状態があらかじめ設定した時間を超えた場合、自動的に回線を切断し、モデムやTA使用時のような切断忘れによる無駄な課金を回避します。
③ 着信機能も備えているため、外部からの接続要求にも対応できます。
④ HUB 注4)機能をもっており、複数のパソコンにLAN接続できます。
⑤ 最近ではDSUが内蔵されたものが一般的です。一般的な通信における機器構成を図2に示します。

ブロードバンドルータ(broad-band router)
最近では、一般電話回線やISDNに加え、インターネット専用にADSLやCATVなどのブロードバンドと呼ばれる高速通信サービスが普及してきています(なお、通信速度がダイヤルアップ接続より高速である回線を総称してブロードバンドと呼んでいます)。
このサービスでは、月間の利用料は固定料金制が主流となっています。一般に、ブロードバンド回線の通信接続にはブロードバンドルータと呼ばれる機器が使用されます。ブロードバンドルータでは、ダイヤルアップルータにおける相手先の電話番号の代わりに、IPアドレス 注5) (もしくは認証ID)が使用されます。
注1) モデム:アナログ電話回線を通じてコンピュータ同士を接続する装置で、コンピュータのデジタル信号を電話の音声であるアナログ信号に変換(または逆変換)します。
注2) DSU:ISDN網に接続するための終端装置で、局からの配線をこのDSUを経由しTAなどの通信用装置に接続します。
注3) TA:ISDNを利用するための通信装置で、パソコンに接続
するためのシリアルポート(RS-232-C)や電話機などと接続するためのアナログポートを備えています。
注4) HUB:本誌2002年6月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注5) IPアドレス:本誌2002年11月号の「計装豆知識」をご参照ください。
【(株)エム・システム技研 電算課】