2000年2月号


お客様訪問記
ごみ焼却灰溶融石材化実証プラントに導入された
MsysNetシステム

(株)エム・システム技研 営業技術部
 

 ごみを焼却したときに発生するダイオキシンや、焼却灰の処分は大きな問題になっています。このため、最近のごみ焼却炉では、焼却灰の有効利用化が進められています。月島機械(株)は千葉県鎌ヶ谷市と協力し、流動床炉で発生する灰(飛灰)を原料にした「ごみ焼却灰溶融石材化実証プラント」を建設し、運転を行っています(図1)。この実証プラントの計装にMsysNetシステムが採用されました。今月は、これを担当された月島機械の茂呂恵之様にお話を伺いました。
 [エム・システム技研、以下エムと略称]このプラントの特徴をお教えください。
 [茂呂]この実証プラントは1日に4.8トンの焼却灰を約1400℃といった高温で溶融し、その後、結晶化させることによって、天然石と同等以上の特性を持つ人工石を製造することができます。このプラントは、千葉県のエコテクサポート制度(環境新技術推進制度)の対象に採択され、1年間の共同研究として実施しました。
 従来、焼却灰を処理して造られる溶融スラグは、ガラス質で強度が弱く、その用途は限られていました。しかし、この実証プラントで製造される人工石は、安全でかつガラス質のスラグが結晶質に改質され、天然石と同等の物理化学性状を持っています。したがって、アスファルトやコンクリート骨材はもとより、舗装材や外壁タイルの骨材として、より広い分野で有効利用が可能です。
 さらに、製造過程において1400℃といった高温で溶融するため、灰に残っているダイオキシンが完全に分解されます。このため、焼却灰の有効利用による循環型社会の構築と、ダイオキシンの分解除去による、地球環境保全に大きく貢献します。
 [エム]計装システムにMsysNetをご採用いただきましたが、導入時の経緯をお教えください。
 [茂呂]このプラントの計装システム設計にあたっては、電気・機械をパッケージ化し、トータルコストの低減、監視・操作性・拡張の容易性などを念頭に検討しました。その結果 、MsysNetとPLCとを組み合せたシステムを導入することにしました(図4)。
 [エム]成果はいかがでしたか。
 [茂呂]最少人数のオペレータ(2~3人)で運転でき、計装制御機能の拡張に伴う増設にも容易に対応できました。また、調節計のプログラムや演算機能も充実していました。さらに、ソフトのエンジニアリングが容易で、実証プラントではよくある、計装システムの変更に伴うアプリケーションソフトの監視・操作の変更も容易に行えました。結果 として、従来のDCSによる計装に比べて、プラントの建設・運転コストを抑えることができました。
 この実証プラントは1999年12月末で運転を終了し、性能および石材の有効利用について初期の目標を達成しました。運転制御に関するノウハウも十分得られ、今後、実設備の計画に活かしていきたいと思っています。
  [エム]お忙しいところ、ありがとうございました。      ■
(敬称は省略させていただきました)

本システムについての照会先:
 月島機械 株式会社 電装部 第1課 主任 茂呂 恵之
 〒104-0051  東京都中央区佃2丁目17番15号
 TEL.03-5560-6567 FAX.03-5560-6597

MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。



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