2000年5月号


Application Note ーこんな使い方がありますー

簡単な加減算の例(1) 
はじめに
 制御の世界では、いろいろな演算が行われています。一般的に使われるPID制御でも、比例、積分、微分など各種の演算を行っています。最近では、さらに複雑な演算を行うファジー制御なども登場し、ボイラの燃焼制御などに採用されています。
 ここでは、加減算の様々な用途と変換器を使った簡単な演算処理をご紹介します。

流量の加減算
 加減算で一番多いのが流量の加減算です。中央のコンピュータに信号を取り込んで、ソフト的に演算処理すれば、加減算は簡単に実現できます。しかし、現場の調節計や指示計などにも入力したい場合には、現場で処理した方が都合が良いのです。
 今回は、同じ流量レンジの2つの流量信号を加算する例についてご紹介します。
 手軽な方法として、直流入力変換器(形式:SV)を使う方法があります。図1に示すように、ともに0~100m3/h(DC4~20mA)である2つの信号の和を取る場合、直流入力変換器を使い、図2に示すように配線します。一般 に数多く使われている入力信号DC4~20mA用直流入力変換器SV-AAの場合、入力端子あるいは別 に並置した端子に抵抗250Ωを並列接続します。この結果、受信抵抗が125Ωになり、入力端子での電圧信号は1V(=4mA×2×125Ω)~5V(=20mA×2×125Ω)になります。
 得られたDC4~20mAは、2つの流量信号を加算した流量0~200m3/hに相当します。流量 計の負荷抵抗として250Ωが大きすぎる場合には、入力抵抗を小さくし、相当する入力レンジを指定します。たとえば入力抵抗を50Ωとすれば、DC0.4V(=4mA×2×50Ω)~2V(=20mA×2×50Ω)を指定します。
 この例の場合に注意しなくてはならない条件は、2つの流量信号が互いに独立しており、絶縁されていることです。信号が互いに絶縁されていないと、思わぬ 信号の回り込みがおこり、指示誤差を生じたり他の計器に異常をきたす場合もあります。
 次回は、同じ流量レンジの2つの流量信号を減算する例についてご紹介します。  ■
 【(株)エム・システム技研 広報室】

2.変換器本体の特徴
 変換器本体には、前述した周波数帯域4Hz~10kHzのプリアンプが内蔵され、演算処理方式には実効値演算を採用しています(図4のブロック図を参照してください)。
 また、変換器の前面にCT比の切り替えスイッチを設けてあり(図5参照)、4段階に設定できます。つまり、センサに300Aフルスケールタイプを使用した場合には、30A、60A、150A、300Aでそれぞれ変換器の100%出力(DC4~20mAでは20mA)が得られます。同様に3000Aのタイプでは300A、600A、1500A、3000Aで100%出力となります。

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