2000年6月号

Application Note ーこんな使い方がありますー

 
簡単な加減算の例(2)
 制御の世界ではいろいろな演算が行われています。一般的に使われるPID制御でも、比例、積分、微分の各種演算を行っています。最近では複雑な演算を行うファジー制御なども登場し、ボイラーの燃焼制御などに採用されています。
 ここでは、加減算の様々な用途と変換器を使った簡単な演算処理をご紹介します。

流量の加減算
 加減算で一番多いのが流量の加減算です。今回は、同じ流量レンジの2つの流量信号の減算を例として示します。前号にてご紹介した加算の例と同じ方法で実現できます。すなわち、直流入力変換器(形式:SV)を使って減算を行います。図1に示す構成で、流量計Aから流量計Bの信号を差し引いた値を得たい場合は、図2に示すように配線します。前号で述べた加算の場合とは、流量信号の向きが異なる点に注意してください。
 直流入力変換器の入力としては、DC0~4Vを指定します。出力のDC4~20mAは2つの流量信号が同じ値のときの0m3/h~流量計Aの最大流量100m3/hから流量計Bの最小流量0m3/hを引いた差100m3/hに相当します。
 ただし、これには常に流量信号aが流量信号bより大きな値であるという条件があります。流量信号aが流量信号bより小さな値をとると、出力信号は4mA以下になり計測不能となります。
 2つの流量信号の大小に関係なくその差を取りたい場合は、入力は-4~4Vを指定します。その場合の出力信号DC4~20mAは-100~100m3/h(流量差がゼロの場合、出力は12mA)に相当します。前号の加算例の場合と同様、流量計にとって負荷抵抗が250Ωでは大きすぎる場合は、直流入力変換器の入力抵抗を小さな値に選定し、それに見合った入力レンジを指定します。たとえば入力抵抗を62.5ΩとすればDC-1V(=(-20mA+4mA)×62.5Ω)~1V(=(20mA-4mA)×62.5Ω)を指定します。
 この例の場合に注意しなくてはならない条件は、2つの流量信号は互いに独立しており、絶縁されていることです。互いの信号が絶縁されていないと、思わぬ信号の回り込みがおこり、指示誤差や他の計器に異常をきたす場合もあります。
 エム・システム技研では、次の加減算専用機種も揃えています。
 アナログ式加算器(形式:ADS)
 アナログ式減算器(形式:SBS)
 次回は、流量レンジが異なる場合の加減算についてご紹介します。■
 【(株)エム・システム技研 広報室】
 
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