2000年8月号

Application Note ーこんな使い方がありますー

 
簡単な加減算の例(4)
 前回は、流量レンジの異なる流量信号の加算、減算について簡単な方法をご紹介しました。今回は、流量レンジが異なり、さらに流量信号にバイアスを伴う場合の加算方法、また2信号の一方が現在なく、将来設備される場合の処置についてご紹介します。

流量信号のゼロが実流量のゼロでない場合(バイアスがある場合)の加算
 加算流量を、表示器を使用し図1に示すように実流量の0~100%表示方式で表示する場合を例とします。流量aのレンジは100~200m3/h、流量bのレンジは100~300m3/h、また表示器には0~500m3/hにて表示させる場合、演算器の内部では0~100%の範囲で流量信号の演算を行うわけですから、まず実流量との対応を考えます。この場合は、流量計のスパンが表示器のスパンに比べて狭くなっていますから、流量信号を圧縮するとともに必要なバイアスを加える必要があります。図2に示す演算式において、出力バイアス値A0は流量信号のバイアス値(200m3/h)を出力スパン(500m3/h)で割ることによって求められます。
 A0=200÷500=0.4
 同様に、K1は流量aのスパン(100m3/h)を、またK2は流量bのスパン(200m3/h)をともに出力スパン(500m3/h)で割ることによって求められます。
 K1=100÷500=0.2
 K2=200÷500=0.4
 これらの値を代入することによって、次の演算式が得られます。
 X0=0.2X1+0.4X2+0.4
 ここで、流量a、b(すなわちX1、X2)をともに最大(=1)にすると、X0=0.2×1+0.4×1+0.4=1となり、出力信号は最大値100%になります。

加算、減算に用いる2信号のうちの一方が将来設備される予定であり、現在配線されていない場合
 デジタル式演算器JF(JFの仕様については本誌本年7月号13ページ参照)を使用する場合は、たとえば演算式でK2=0とすることにより、入力2(X2)を無関係にできます。ただし、流量計が将来設置された場合には、係数を元の値に戻す必要があります。
 なお、流量計Bの設置時に演算器の設定変更を行いたくない場合は、図3に示すように流量計Bが設置されるまでの間、マニュアルセッタ(形式:MS)または手動操作器(形式:ABS)を使用し、疑似信号として4mAを入力しておきます。この構成なら、演算器の設定変更を必要とせず、単に結線変更によって入力2を含む演算が行えます。 ■
 【(株)エム・システム技研 広報室】
 
戻 る 進 む

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.