2000年10号 | |||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | |||||||
選択変換器 | |||||||
今回は、選択変換器とはどのようなものであり、どのような用途に使われているか、またそのアプリケーションについて簡単にご紹介します。選択変換器は、他社ではセレクタとも呼ばれており、その名のとおり2つの入力信号のうちどちらかを選択し、(必要に応じて)信号変換を行って出力するものです。 入力信号の高い方を選択するか低い方を選択するかは、発注時にご指定ください。なお、図1(SE/SESの仕様)に示すように、入出力および電源の種類、さらには入力-出力間の絶縁機能も種々お選びいただけますから、用途に応じてご指定ください。 図2には、選択変換器を除湿制御に使用した例を示します。 室内の湿度を下げるのに冷房を行うことはご存じのとおりです。夏の時期、冷水を入れたコップのまわりに水滴がついたり、冷房中のエアコンの室内機から、ドレンホースを通して水が流れているのを見られたことがあると思います。これらは空気中の水分が結露し、水滴となって現れる現象です。厳密には、ある温度の空気中に含まれる最大水分量はその露点温度で決まり、その空気が露点温度以下に冷やされると、空気中の余分の水分が水滴となって現れる現象です。ところが冷房を行う場合、室内の冷房負荷が少ないと、室内が冷えすぎてしまいます。このような場合は、除湿のための冷房を行うのと同時に、室内の温度が下がらないよう暖房も行います。このようにすることによって、室内の温度を下げることなく湿度だけを下げることができます。一見効率の悪い運転のように思われますが、このような制御が実験室や食品工場の恒温恒湿室や、接客用のVIPルームなどの空調で行われます。 このような制御に使われる選択変換器の動作を、図2を参照して説明します。通常、暖房制御弁および冷房制御弁は温度調節器の信号で動作します。そして、温度調節器の信号でこれらの弁が同時に開くことはありません。 室内湿度が上がり湿度調節器が除湿を要求すると、その信号は選択変換器を通し温度信号に優先して冷房制御弁を開け除湿を行います。恒温恒湿制御の場合には、湿度調節器は湿度が下がった場合に加湿制御弁を開け湿度を一定に保ちます。なお、信号の高い方を優先するか低い方を優先するかは、冷房制御弁の動作によって選定します。 ■
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