2000年11号

Application Note ーこんな使い方がありますー

 
リミッタ変換器
 前回の選択変換器に続き、今回はリミッタ変換器(形式:LM、LMS)のアプリケーションについてご説明します。リミッタ変換器とは、出力信号に上限値および下限値を設定し、入力信号が設定した上限値以上または下限値以下になった場合、出力信号を設定された上限値または下限値にホールドする機能をもった変換器です(図1)。
 自動制御ループの操作端(制御弁やダンパーなど)は、そのループの調節計(コントローラ)出力によって操作されます。しかし場合よっては、その操作量を調節計のある値以下または以上の値にしたくない場合があります。
 たとえばボイラの燃焼制御弁が挙げられます。通常、ボイラは発生する蒸気圧力が一定になるよう、燃料供給弁を制御しています。蒸気の使用量が少なくなると燃料弁を閉めて行き、蒸気の発生量を減らします。しかし燃料弁がある一定開度以下になると燃焼が不安定になり、運転が困難になります。このような場合、リミッタ変換器を用い、燃料弁に対して運転可能な最低開度を設定しておけば、調節計の出力に関係なくボイラは最低燃焼状態を維持できます。また大型のボイラでは、最大燃焼時にも、ある一定値以下の燃焼に抑える場合があります。このようなときに、上限値を設定しておけば、それ以上の燃焼を抑えることができます(図2)。
 そのほか、外気冷房中の空調機の外気ダンパの最低開度設定や、メータの振り切れ防止など、いろいろなアプリケーションが考えられます。なお、下限値や上限値を外部から調整できるようにしたい場合は、前回ご説明した選択変換器の応用が考えられます。
 エム・システム技研のリミッタ変換器では、設定した上限値、下限値をモニタ端子で確認できます。モニタ端子には、入出力の種類に関係なく、上下限値設定範囲(0~100%)に対応する0~10Vの電圧が出ています。設定するときには、テスタでこの電圧を見ながら設定ボリュームを回して設定するため、簡単にしかも正確に設定できます(図3)。■

 【(株)エム・システム技研 広報室】
 
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