2001年1月号


2001年 新年のごあいさつ

宮 道   繁
(株)エム・システム技研 代表取締役

 あけましておめでとうございます。
 そごうに続く千代田生命の破綻と、まだ財テク時代の不良資産が噴き出しています。ほかにも予備軍があるようで、引続き用心しなければならないことには違いないのですが、製造業の業績回復は目を見張るところで、今年は経済環境が改善されることは間違いないと思われます。
 IT技術に磨きがかかり、通信とインターネットに大きな前進が見られ、リモート集中監視とリモートメンテナンスが計装業界の新しいキーワードになるのではないでしょうか。
 急速に発達した用途別LSIは、アナログ/デジタル混在の巨大な機能を1チップに収納し、2~3千円で容易に入手できるようになり、その上パソコンと腕前さえあれば、そのチップに目的の機能を果たさせるためのファームウェアを構築できます。この事実は、計装制御機器の大幅なコストダウンを可能にして大変ありがたいはずなのに、流通価格の低下に見合った市場の拡大がさほどでなく、マーケットサイズの拡大に結び付かなかったためか、世界中の計装機器メーカーが苦戦する結果となったように思われます。
 しかし、このように市場の大きな技術、革新インパクトが発生したときには、劇的な主役交代が行われるのは歴史が教えるところです。これからの計装機器は、過去の延長線上というよりは、過去の計装技術に電子革命と通信革命を加えた、次世代型計装システムがどんなものになれば市場に歓迎されるかの推理競争があり、その先に形成されるものではないでしょうか。
 各種技術の動向を注目しながら、次世代のシステムを見通すのは何とも楽しい作業と思われてなりません。計装機器のコンポーネントメーカーの道を選んだエム・システム技研は、リモート監視の世界が巨大化するものと考えます。したがって中小規模から広域大規模までの監視設備を睨んで、ユーザーが必要とされる千変万化のデータロガーを実現するための、取り扱いが容易でわかりやすい多くのハードモジュールとソフトモジュールを開発し、新しいマーケットの創造を実現したいと考えています。
 しかし、一方、従来型の計装が急になくなるわけではありません。現実に、エム・システム技研における変換器の出荷台数は2000年春頃から増加に転じ、年末には創業以来の最高を更新し続けています。
 変換器のために開発されたのではないかと思われるような、アナログ処理の上手なシステムLSIの激しい開発競争が展開されておりますが、これは計装機器メーカーにとっては福音であり、いろいろと趣向を凝らした変換器の設計を可能にしてくれています。世の中に装置がある限り、アナログ信号の処理の仕事は尽きることはありません。
 大型の設備では計測点が多いため、その計測信号を取扱う多点入力のリモートI/Oのマーケットが立ち上がりつつあります。ISA EXPO/2000では、欧米各社が独創性の高いリモートI/O機器を出展していました。エム・システム技研は、リモートI/Oのマーケットへ、覇を競える有力商品を投入しようとしています。一方では、中小設備に適した便利なフレキシブル変換器群を投入いたします。
 ちなみに、2000年中に一部完成した優先順位の高い商品を発売いたしましたところ、予想をかなり上回る出荷台数が確認され、狙いは正しいように感じております。
 これからの計装機器マーケットは、小形、安価を追求する大型設備用機器と、創造力豊かな新しい機能を盛り込んだ便利な機器の両マーケットとも健全に成長して行くものと思われます。
 計装機器の高度化は、雷被害に曝される度合いを高めています。とくに2000年は雷が多かったこともあり、エム・システム技研の計装用避雷器「エム・レスタ」の出荷が著しく増え、思わぬ収穫となりました。ISDN回線用避雷器やDeviceNet用避雷器など、新しいニーズに対する新製品も続々と用意し、計装用避雷器のことならお任せいただけるように開発を進めています。計装用避雷器はエム・システム技研の創業商品でもあり、大切に育てて行きたいと考えています。
 21世紀に入り、新たな気持ちで、計装システムのコンポーネントメーカーの道を進んで参ります。
 今年もどうかよろしくお引き立てのほど、お願い申しあげます。         ■

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