2001年1号 | |||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | |||||||
比率変換器の使用例 | |||||||
前回に引き続いて、今回も比率変換器のいろいろなアプリケーションをご紹介します。 図1には、小形パッケージボイラの空燃比制御に使われた例を示します。ボイラで重油やガスなどの燃料を燃やす場合、最大の燃焼効率で燃焼させるためには、燃料の量に見合った空気(酸素)量が必要です。この空気と燃料の比率を空燃比といい、燃料の種類やボイラのバーナー構造などによって空燃比の最適値は異なります。図1で、マスタコントローラ(PIC)は蒸気圧力信号を受け、その出力は外部設定信号として 燃料流量調節計(FIC1)に入力されます。また、燃料流量調節計(FIC1)は燃料流量が与えられた設定値と等しくなるよう燃料制御弁を操作します。空気流量調節計(FIC2)は、空気流量信号を受けてブロワのインバータ制御を介し、空気流量を制御します。この調節計の外部設定信号としては、同じマスタコントローラ(PIC)の出力信号が、比率変換器を経由して入力されます。比率変換器のレシオとバイアスを最適値に設定することにより、ボイラの制御範囲において常に空気と燃料は一定の比率を保ち、燃焼効率の最適化と煤煙などの発生を防ぐことができます。一般的には、定期的にボイラの性能テストを行い、その都度、比率変換器のレシオとバイアスを最適値に設定し直し、効率のよい運転を行っています。比率変換器(形式:MRTD)は、レシオとバイアスがサムロータリスイッチで簡単に設定できますから、このような使い方に最適です。 図2には、スケールレンジの拡大表示の一例を示します。安定した定値制御ループでは、流量や温度などの制御変数は、その設定値付近で安定しています。その安定した値の付近だけを拡大して見たいというときに、この図に示すように比率変換器を使用すれば、レベル調節計のスケールの一部を拡大して指示計に表示できます。 図3には、ブレンディングシステムの一例を示します。2つ以上の原料を一定の比率で混合し、製品を作る工程をブレンディングといいます。ジュース、ペイント、またガソリンなどの製造設備には、この工程が必ずあります。図3に示したのは、2種類の原料を一定の比率で混合する場合です。主原料の流量値を受け、それに一定の比率を掛けた値を副原料用流量調節計(FIC)の設定値として送り、副原料の流量を主原料流量の一定割合に調節します。 ■
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