2001年4月号

計装用プラグイン形変換器 MX・UNITシリーズ
デジタル設定形 ロードセル変換器(形式:MXLC)

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 エム・システム技研の数あるロードセル変換器の中から、今回は新シリーズ「計装用プラグイン形変換器MX・UNITシリーズ」で新しくラインアップに加えたデジタル設定形ロードセル変換器(形式:MXLC)をご紹介します。
 エム・システム技研では、以前から各種のロードセル変換器を販売しており、おかげさまで出荷台数は今日まで順調に増加して参りました。
 一方、これに伴って、お客様から次のような多種多様なご要望が寄せられていました。
 ●入力レンジを変更したい。
 ●印加電圧を変更したい。
 ●出力レンジを変更したい。
 ●実量値を示す表示器としたい。
 ●入力値を確認したい。
 ●風袋調整を、外部からの接点信号で行いたい。
 ●出力値をホールドしたい。
 ●入力の設定を、センサ試験データの感度に基づいて、数値入力で調整したい。
 ●最大負荷が大きいため、最大負荷の10%で実量調整を行いたい。
 ●CE規格への対応。
 従来製品では、これらすべてのご要望に対応するのは困難でした。そこで、これらのご要望を盛り込んだ新製品MXLCを開発しました。

1.MX・UNITシリーズ
 まず新シリーズ「MX・UNITシリーズ」の特徴としては、デジタル設定形、表示器付きのアナログ入力、アナログ出力の変換器であり、入力レンジ・出力レンジの自由な設定、各種表示、各種設定など、すべての機能を前面キー操作により実行できることをコンセプトとして設計されています。

2.MXLCの特徴
 ●入力レンジの変更が可能
 ●センサ印加電圧の変更が可能
 ●出力レンジの変更が可能
 ●入力値の実量表示が可能
 ●センサ入力電圧値を表示可能
 ●接点入力による操作が可能
 ●ピークホールド、ボトムホールド、サンプルホールドが可能
 ●移動平均が可能
 ●調整機能の充実
 ●CE規格に対応
 ●各種供給電源に対応

3.各種設定と表示
 MXLCでは、前面に4桁の「DATA」表示、2桁の「ITEM」表示、また4個の操作キーを設けることにより、各種機能の設定を前面キー操作により実現しています。
 ●入力レンジの変更、センサ印加電圧の変更
 入力レンジ、印加電圧を設定可能にしたため、あらゆるセンサに柔軟に対応できるようになりました。
 アナログ入力信号としてDC0~±3.0mV/V、DC0~±10.0mV/V、DC0~±30.0mV/Vの3種を準備しています。
 印加電圧は、0.1~12.0Vの間で0.1Vステップで変更可能です。
 入力信号DC0~±3.0mV/V(入力電圧範囲-30~30mV)用MXLCの場合、0.01mV単位 で任意のゼロ点とスパンを設定することが可能です。したがって、従来、無負荷時の出力がオフセットしたセンサでは、外部にて抵抗を追加するなどにより、あらかじめオフセット調整を行う必要がありましたが、MXLCの場合は、入力電圧範囲内であれば任意にゼロ点を設定することが可能になり、外部でのオフセット調整は不要になりました。
 ●出力レンジの変更
 出力レンジの変更が可能です。アナログ出力信号としてDC-1~+1V、DC-10~+10V、DC0~20mAの3種を準備しています。
 たとえば出力信号DC-10~+10V用MXLCの場合、0.1V単位 で任意にゼロ点とスパンを設定することが可能です。
 ●出力値の実量表示
 たとえば、「0.0~100.0(%)」の表示を「0.00~50.00(kg)」など、実量単位の表示でスケーリング設定することが可能です。
 ●センサ入力電圧値の表示
 センサの入力電圧を確認することによって、調整、ケーブルの断線や極性の確認などの設置作業が容易になります。
 ●接点入力
 接点入力を「風袋調整」、「ピークホールド」、「ボトムホールド」、「サンプルホールド」起動信号に割り付けできます。接点信号はベース端子部から外部に取り出せ、操作盤などに配置できます。
 風袋調整:接点信号を受け取ることにより、そのときの入力値を0%に設定できます。
 ピークホールド:接点を入力している間の最大値を保持し、出力します。
 ボトムホールド:接点を入力している間の最小値を保持し、出力します。
 サンプルホールド:接点を入力したときの値を保持し、出力します。
 ●移動平均機能
 安定しない入力信号の場合、出力値がふらつくことがあります。このとき、移動平均を設定すれば、安定した動作を行わせることができます。
 移動平均の回数は、0、4、8、16、32回から選定できます。
 ●調整機能の充実
 数値調整:データシートや試験データから得たセンサの感度を、数値で入力することで調整が行えます。
 実量調整:実際の負荷を使用して調整できます。
 負荷係数実量調整:最大負荷が用意できない場合に使用します。係数を設定することで、100~10%の負荷で実量調整が行えます。
 ●CE規格に対応
 ●各種供給電源に対応
 供給電源としては、交流電源AC100~240V、直流電源DC24V、DC110Vの3種に対応可能です。

お わ り に
 MXLCは、お客様から寄せられた多種多様なご要望にお応えして、設計した製品です。なお、できる限り実現するよう努力しましたが、未だご要望に沿えない点もいくつか残っています。これらのことを踏まえ、今後も操作性、機能、性能の向上に努めたいと考えています。
 「MXシリーズ」では、今後具体的に直流入力、直流2入力演算機能付、測温抵抗体入力、熱電対入力、ポテンショメータ、交流入力、パルス入力などを取り揃え、デジタル設定形、表示機能付きなどの製品を充実させて行く予定です。
 なお、以下に挙げる変換器シリーズでもロードセル入力を新規に加え、シリーズの充実を計画しています。
 ●コンパクト変換器みにまるシリーズ(形式:M2LCS)
 ●パネル取付形変換器16・UNITシリーズ(形式:16LCS)
 ●絶縁2出力形超小形信号変換器ピコマルシリーズ(形式:M8LCS)
 今後とも、エム・システム技研の各種製品をご愛用くださいますよう、お願い申しあげます。   ■

みにまるおよびピコマルはエム・システム技研の登録商標です。

戻 る 進 む

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.