2001年5月号

「エムエスツデー」9周年記念のごあいさつ

 (株)エム・システム技研 代表取締役社長 宮 道   繁
 
『エムエスツデー』読者の皆様、こんにちは。
 エム・システム技研は、1972年4月に計装機器用避雷器「エム・レスタ」のメーカーとしてスタートしました。引き続いて計装用変換器「M・UNIT」を発売し、計装システムを構築するに当たって必要となる、主力機器の隙間を埋める部品メーカーを目指しました。
 多分時期が良かったのだろうと思うのですが、ちょうど計装用のアナログ信号がDC4~20mAに統一される雰囲気が立ち上がるところでした。DC 2~10 mAとかDC 10~50 mAのほか、まだDC0~10mVなどのアナログ信号でまとめられた計装機器シリーズが各社から発売されており、ユーザー側からすれば至極迷惑な話で、何とか統一して欲しいと考えていたのではないかと思って、それらの信号を相互に変換する仕事から着手することにしました。
 まもなく結果が出ました。そして、昭和50年(1975年)から昭和60年(1985年)までの10年間で、変換器の売上規模が100倍になったのを、ついこの間のように思い出します。その間、自分の計装経験から必要と思われる機能をどんどん変換器としてプラグインの箱の中へ作り込み、製品ラインナップを拡げてゆきました。多分今のエム・システム技研の変換器の種類は、2位メーカーをはるかに凌ぐ世界一になっていると思います。
 次に目指したのは、いずれやってくるパソコンネットワーク計装システム時代の助走として、多重伝送機器を開発しました。名付けて「DAST」(DIGITAL ANALOG SIGNAL TRANSDUCER)でした。これはロジックICの組合せで構成しましたが、μCPUが安くなり、後継機種として「DATA-M」の名で独自の通信プロトコルを開発し、機能を大幅にアップして発売しました。いずれも、当時としてはまだISAでフィールドバスについての議論が始まろうとしていたころでしたので、ケーブルセービングくらいの用途で、まあまあご利用いただけました。
 それから10年、世の中はがらっと変わってパソコンの大爆発、そして各種デファクトスタンダードの通信プロトコルの饗宴、そしてIT革命の時代となりました。ついこの間まで、計装はDCSなしでは語れなかったのに、今ではDCSは死語に近い言葉になってしまいました。パソコン上に高度な機能を安価容易に実現できる計装用パッケージソフトがしのぎを削り、寡占状態にまで達しています。
 いよいよリモートI/Oの出番です。今エム・システム技研では、全世界でデファクトスタンダードの地位を築いた各種プロトコルを搭載したリモートI/Oシリーズを取り揃え、ここでも世界一機種の豊富なリモートI/Oメーカーになろうと全力を挙げています。I/O部分は得意の変換器回路を駆使し、通信部分にはEthernetを始め、Modbus、CC-Link、DeviceNet、PROFIBUS-DP、INTERBUSなどを予定し、開発を進めています。すでにModbus、CC-Link、DeviceNetを用いたリモートI/Oシリーズを供給開始してご好評をいただいております。まもなく通信の2重化も実現します。
 また、それら通信プロトコル相互をつなぐプロトコル変換器(ゲートウェイのこと)もシリーズ化を狙って、需要の多いものから順に完成の時期にきています。
 次はIT対応の有線、無線のテレメータリング機能の充実を進めています。電話回線モデムを用いた拡張、変更自由自在の組合せ形のテレメータシリーズを始め、パケット通信用テレメータ、PHSテレメータ、携帯テレメータ、WEBテレメータ、インターネットテレメータなど、用途に応じて選べる広域集中管理システム用リモートI/Oシリーズも多くの現場でご採用が始まっています。
 時代の変化は開発形ベンチャー企業にとって本当にありがたいものだとつくづく思う今日この頃です。
 この9年間の変遷は、この『エムエスツデー』でお知らせしてきました。これからは、ますますお知らせする内容が濃くなってくると思われます。「新しいものを親切丁寧に解説する」をモットーに、編集メンバー全員努力して参ります。
 よろしくご愛読いただきますようお願い申しあげます。 ■
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