2002年1月号 | ||||||||||
LonWorks対応 電電ポジショナ(形式:MEXL) | ||||||||||
(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||||
今回は、デジタル信号を使用しオープンネットワークであるLonWorksに対応する電電ポジショナ(形式:MEXL、図1、図2参照)をご紹介します。ネットワークに対応した電電ポジショナは世界でもほとんど例がないと思われ、そういった意味ではかなりユニークな商品に違いありません。しかし、数多くのネットワーク関連商品を製品化し、アクチュエータなどの操作部も手がけるエム・システム技研にとっては、むしろ自然な流れで生まれてきた製品であり、時代の要求に合った商品であると考えています。
LonWorksの大きな特徴として、各ノードにマスタ、スレーブの関係がなく、自律分散制御を可能にしていることが挙げられます。その結果、通信項目別に相手接続機器を選択することが可能です。MEXLのネットワーク変数(図3参照)を例にとって説明すると、開度入力として、通常使用する入力と、緊急時に使用する優先順位の高い強制開度入力の2つを用意していて、通常の開度入力はコントローラに接続しておき、強制開度入力は別の手動操作用機器などに接続することが可能です。さらに、全閉位置信号や全開位置信号はランプに、ロック警報はブザーに接続することも可能であり、自由度の高いネットワーク環境を提供します。中央制御装置を設ける場合でも、各ノードの自律機能により中央制御装置の負担は軽く、故障による被害も小さくて済みます。LonWorks対応機器には、必ずニューロンチップとよばれるICが搭載されます。ニューロンとは神経細胞を意味しますから、自律モジュールが神経細胞のごとくつながって行くことをイメージして付けられた名前でしょう。通信線の結線方式の特徴としては、フリートポロジを使用できる点が挙げられます。フリートポロジには結線方法の制約がなく 、バス、スター、リング、いずれの結線方式でも選択できます。フリートポロジ対応のドライバとしては、ECHELON社自身が開発したFTT-10Aが、端末機器間の通信において標準的な地位を占めており、MEXLもこのFTT-10Aドライバを搭載しています。フリートポロジが、LONをより一層ニューロンのイメージに近づけています。
|
| |||||||||
|