2002年5月号

「エムエスツデー」10周年記念のごあいさつ

 (株)エム・システム技研 代表取締役社長 宮 道   繁
 
 『エムエスツデー』読者の皆様、こんにちは。
 時の流れに従って、激しく遷り変わる電子技術がもたらす計装システムと、それを構成する新しいインタフェース機器について、読者の皆様に知っていただきたく創刊しました『エムエスツデー』ですが、はや10周年を迎えました。
 「継続は力なり」と申します。創刊10周年の今日、『エムエスツデー』の発行部数は6万を数えるまでになりました。本当に嬉しく存じます。それだけに、記事の一つひとつに責任の重さを感じております。
 私が計装の世界に入ったのは、1958年(昭和33年)大阪大学工学部を卒業してすぐのことでした。その頃は、電子管式記録調節計の全盛時代で、PID制御は空気式で行われていました。間もなくトランジスタが実用化の段階を迎え、電子式制御システムの時代が到来しましたが、入力から制御出力まですべてアナログ式で、メーカー各社が各種各様の電気信号を用いた計装システムを提案し、多くの実績を上げて行きました。
 その後、アメリカからISAが定めた統一信号DC4~20mAの採用が進みましたが、現場では、依然としてDC0~10mV、DC2~10mA、DC10~50mAなど、多くのアナログ信号を用いた計装システムが共存し、全工場の統一的、集中監視を難しくしていました。
 1972年(昭和47年)にエム・システム技研は、これらのアナログ信号間を相互に結びつける変換器をプラグイン式のプラスチックケースに収納し、「エム・ユニット」と命名して発売することにより、計装用インタフェース変換器メーカーを目指しました。
 その頃は、ようやくアナログ信号増幅用のICが容易に入手できるようになった時期で、エム・システム技研にとってとてもラッキーだったとつくづく思います。すでにその頃、デジタル技術は大掛かりではありましたが、コンピュータコントロールシステムとして、具体化していたように思います。数億円もするコンピュータコントロールシステムを導入して、工場中のアナログ信号を集めて入力し、演算し、制御出力を現場に送り出すとともに、データロギング、異常警報、データ解析などを行っていました。
 その結果、コンピュータルームと現場の間に膨大な量のケーブルが布設され、ケーブルダクト、ケーブルピットは、キャブタイヤケーブルで溢れていました。ケーブル布設費用は、全計装機器の価格合計の2倍を超えるほどで、省配線のためにフィールドバスの必要性が叫ばれるようになりました。
 実際に、デジタル方式のシリアル通信を用いたフィールドネットワークが普及したのは、マイクロプロセッサの発達に伴って、高度な半導体が、小さく、安く、自由に入手できるようになったことが大きく貢献しました。具体的には、パソコンの発達によるEthernetの普及、FA用PLCの発達により、CC-Link、DeviceNetなどのオープンネットワークが広く利用されるようになり、その結果、パソコンを中心においてコストの安いEthernetやPLC用の各種オープンネットワークを用いた計装システムが普及しました。
 エム・システム技研にとって、再び、各種オープンネットワークを接続するためのインタフェース用ネットワーク変換器のビジネスチャンスに恵まれることになりました。パソコン用通信機能としてポピュラーな、RS-232-C、RS-485をはじめ、Ethernet、CC-Link、DeviceNet、Modbus、PROFIBUS、LonWorksなど、多くのオープンネットワーク用のハードとソフトを社内資産化して、お客様特有の通信機能を、ご要求のオープンネットワークに接続するネットワーク変換器を製作・供給する仕事を始めました。ネットワーク変換に関するご相談を喜んでお受けしております。
 今後、この『エムエスツデー』に、最新のネットワーク、最新の通信インフラを用いた、工場内だけにとどまらない広域の計測、監視制御システムを実現する、リモートI/O、ネットワーク変換器などをご提案して参りたいと存じます。これからもぜひ、『エムエスツデー』のご愛読を、よろしくお願い申しあげます。 ■

戻 る   進 む

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.