2002年6月号 | ||||||||||||||||
コンパクト変換器 みにまるシリーズ比率変換器(入力/出力バイアス形)、リミッタ変換器 | ||||||||||||||||
(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||||||||||
これらの新製品では、設定値を入力するのにテスタやドライバなどを必要としません。前面パネルのLED表示を見ながらスイッチを指で操作するだけで、レシオやバイアスあるいは上限値や下限値の設定が簡単にできます。しかも、表示は赤色で文字の大きさは縦6.4mmと非常に大きく、くっきり分かりやすくなっています。 では、その形状や特長について以下にご紹介しましょう。
前面扉を開くと、中には3桁7セグメント赤色LED表示器が1つと緑赤2色LEDランプ(設定値が正の値のときは赤色、負の値のときは緑色点灯)が1つ、双投形スイッチが2つ(左側が単純形、右側がモーメンタリ形)、そして微調節用のトリマ(ゼロ、スパン)が見えます。3桁7セグメント赤色LEDを使用したことによって、設定値の確認が容易に行えます。 また、ピン配置は従来の直流入力変換器(形式:M2VS)などと同様です。
ここで、入力バイアス形と出力バイアス形の違いについてご説明しましょう。入力バイアス形は、演算式が、出力 =レシオ*(入力+バイアス) となっていて、入力信号のバイアス調整を行ってからレシオ設定をしたいときに便利です。出力バイアス形は、演算式が、出力 =レシオ*入力+バイアス となっていて、レシオ設定をしてからバイアス調整をしたいときに便利です。 リミッタ変換器の設定範囲は、上限値・下限値ともに-15.0~105%となっています。ただし、-15.0~100%の間は0.1%ステップ、100~105%の間は1%ステップで設定できます。 また、上限値と下限値の間には「上限値≧下限値」なる関係が成り立つようになっていますから、「上限値=下限値」と設定すれば入力に関係なく上限値(=下限値)が出力されます。
その設定方法ですが、操作はいたって簡単です。比率変換器(出力バイアス形、形式:M2REB、正勾配特性)を例にとってご説明しましょう。 では、レシオを2.00に、バイアスを-20%に設定することにします。まず電源投入状態で前面扉を開き、正面向かって左にあるレシオバイアス切換スイッチをレシオ側に倒します。このとき3桁7セグメント赤色LED表示器にはレシオの値が表示されます。工場出荷時は1.00です。次に右側の設定値UP/DOWNスイッチを上側に倒します。すぐスイッチを放すと0.01だけ値が増加して止まります。しばらく上側に押し続けると設定値が2段階に加速しながら増えていきます。2.00になったところでスイッチを放します。行き過ぎた場合は、下側に倒して2.00に設定します。表示が2.00になれば、レシオの設定は終了です。 次に、レシオバイアス切換スイッチをバイアス側に倒します。すると表示器にはバイアスの値が表示されます。工場出荷時は0%になっています(表示は00で、設定値極性表示ランプは赤色点灯)。次に、設定値UP/DOWNスイッチを下側に倒します。すぐスイッチを放すと1だけ値が増加して、なおかつ設定値極性ランプが赤色から緑色に変化して止まります。これは-1%を示しています。しばらく下側に押したままにして、20になったところでスイッチを放します。 以上で設定は終了です。出力端子には、Y=2.00*X-20なる演算結果が出力されているはずです。ここで、Yは出力(%)、Xは入力(%)を示します。
CEマーキングは、電磁波障害と安全性に関して、厳しい欧州の規格への適合を示します。しかし、ご安心ください。今回ご紹介する製品は、ほかのみにまるシリーズ製品と同様、CEマーキングに適合済みです。そのうえ、広い電源電圧を許容するワールド電源仕様であるため、まさに「鬼に金棒」なのです(なお、電源の種類によってはCEマーキングに対応しない場合があります。詳しくはエム・システム技研のホットラインにお問い合わせください)。 さらに、これらの製品については米国の安全規格ULへの申請も予定しています。
*みにまるは、エム・システム技研の登録商標です。 |
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