2002年7月号 | ||||||||||||||
海外レポート最近の中国から | ||||||||||||||
(株)エム・システム技研 総務部長 | ||||||||||||||
●賃金は日本の30分の1 工場の生産ラインで働く労働者の賃金は、20歳前後で月収は8千円~1万円程度で、年間収入は、実家の年収の5~6倍になります。労働者の採用は、地方でエージェントが募集し、バスで工場へやって来ます。企業は寮を完備して食住を保証し、中には初めて電気のある暮らしを経験する人もいます。3年から5年勤務して故郷に帰りますが、数年勤めると郷里で家が建つぐらいの蓄えになるそうです。工場勤務の応募者はいくらでもいて、工場の前に張り紙をすれば、数名の募集にすぐ200人くらいは集まるそうです。 数百人の作業者が製造ラインに並ぶとさすがに壮観で、向こうの方はかすんで見えなくなるほどでした。部品実装のラインでは工程を細かく分け、1人2部品を挿入し、5人に1人の検査係を置いていました。まさに、日本の30分の1の人件費がなせる作業方法です。3年前、日本から進出して5人で始めた会社が、今では500人の工場に成長したという話が普通に語られていました。 ●視力は3.0 ここで働く人の視力は2.0~3.0が普通です。工場の案内の方が4年前に来たころは、周辺の村ではテレビは1台しかありませんでしたが、今では、テレビはどこでもあるようになり、そのせいか視力3.0の人は少し減りましたが、最低2.0はあります。日本では機械でないとできない表面実装部品の取り付けも、人手で可能です。 ● ![]() 電気は電力会社から受電していますが、夏には町全体が停電することが数回あります。そのため、自家発電装置を備えてまかなっています。通信事情は近年かなり改善され、E-mailも着くようになりました。ただし、送ってから数日後に着くこともあるそうです。電話は普通につながります。道路は縦横に張り巡らされ、高速道路は片側3車線または2車線で、主要なエリアを結んでいます。トラック輸送により、今日出荷した荷物は翌日には香港から世界各国へ出荷されます。
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