2002年8月号 | ||||||||||||
リモートI/O R5シリーズ、PROFIBUS-DP用
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(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||||||
これに加えて今回は、PROFIBUS-DPに準拠するR5シリーズのリモートI/O用 通信モジュールとして、通信カード(形式:R5-NP1、図2)を開発し、国際PROFIBUS協会(PROFIBUS International)の認証を取得しました。この結果、すでに発売されているDeviceNet、Modbus、CC-Link通信モジュールに加えて、R5シリーズのPROFIBUS通信用リモートI/Oもお客様に選択、ご使用いただけるようになりました。
PROFIBUSはマルチマスタ型フィールドバスです。このシステムには、マスタ装置とスレーブ装置があります。マスタとスレーブを合わせて最大127台の装置の間で、9.6kbit/sから12Mbit/sまでの伝送速度を選択して、データを伝送できます。伝送用ケーブルとしては、ツイストペアケーブル(RS-485)または光ファイバケーブルが使用されています。また、ネットワークの総延長は、最大数キロメートルまで許容します。 PROFIBUSは、互換性のある製品を1グループとして3種類のバリエーションから構成されています。 1.PROFIBUS-FMS(Fieldbus Message Specification)はオブジェクト指向のモデルであり、PLC、DCS、PCなどにおいてインテリジェントステーション間の通信にパワフルなアプリケーション層機能を発揮します。 2.PROFIBUS-DP(Decentralized Periphery)は、リモート I/Oやドライブなどフィールド装置とコントローラとの間の高速データ伝送を可能にします。 3.PROFIBUS-PA(Process Automation)はファンクションブロックの技術を使っており、IEC61158-2で指定された物理層スペックを危険対策へのオプションとしています。 これら3種のバリエーションの中で、9割以上を占めるのはPROFIBUS-DPであるといわれています。PROFIBUS-DPを使うと、1kbyteのI/Oデータが1ミリ秒以下で伝送できます。 エム・システム技研のR5-NP1は、このPROFIBUS-DPに準拠し、RS-485コネクタを使うスレーブ装置です。R5-NP1は、他のR5通信モジュールと同様、二重化もサポートしています。通信データ長は入力16ワード、出力は16ワード固定で、2点の場合は最大8 I/Oモジュール(1点の場合は16 I/Oモジュール)が実装できます。通信スピードについては、PROFIBUS規格の9.6kbit/sから12Mbit/sまでをフルサポートします(図3)。 PROFIBUSはオープンバスですから、これに接続する製品は様々な会社から提供することができます。各メーカーはPROFIBUSをサポートするとの自己宣言ができますが、PROFIBUS協会はPROFIBUS製品が安全に使えるように認証試験を実施して、PROFIBUS製品のチェックコンフォーマンステストを行っています。このコンフォーマンステストにパスした製品を使えば、ユーザーはより安心してネットワークを構築・運用できます。 認証試験は、国際PROFIBUS協会が承認したテストラボで行います。現在、ドイツ、オランダ、アメリカ、イタリア、中国などに10箇所のテストラボがあります。認証試験では、電気特性、プロトコル、ネット安全など様々な面から厳密なテストが行われ、マルチベンダーでの通信テストも含まれています。テストには約2週間かかります。テストにパスした製品サンプルおよびテストの記録は、テストラボに少なくとも1年間保存されます。 R5-NP1は、今年2月、中国北京のテストラボ(図4)でテストを受けて合格し、国際PROFIBUS協会から認証されています。
エム・システム技研は、大方の読者各位がご存じのように、独立独歩の経営方針のもと技術レベルの高い商品をご提供して参りました。これからも、引続き高い技術力を確保し、最新の製品をタイムリーにご提供できるよう努力して参ります。ご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。 ■ 国際PROFIBUS協会: www.profibus.com 日本PROFIBUS協会: www.profibus.jp 中国PROFIBUS協会: www.c-profibus.com.cn |
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