2003年5月号 | |||||||
Interface & NetworkNo.32 | |||||||
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インターネットエクスプローラやネットスケープナビゲータなど、パソコンに標準装備された閲覧ソフト(ブラウザ)を利用する監視・操作用ソフトウェア(SCADAソフト)が、最近注目を浴びています。このようなソフトは、通称「ブラウザベースのSCADAソフト」と呼ばれています。ここでは、新しいブラウザベースのSCADAソフトのしくみや特徴について簡単に説明します。 (1)従来型SCADAソフトとブラウザベースのSCADAソフトとの違い 従来型SCADAソフトを使用する場合、一般に図1に示すようなシステムが構成されています。図1で、SCADAソフトの本体はサーバのパソコンに搭載されています。サーバのパソコンでは、各種の監視・操作用の専用画面からオペレーションが行えます。また、サーバに対しLAN上でクライアントの関係にあるパソコンには、クライアント専用のSCADAソフトが搭載され、サーバのパソコンに搭載されたSCADAソフトとデータベースを共用して、同等なオペレーションができます。MSデータロガーに採用されている「Citect5」も従来型SCADAソフトの代表です。 一方、ブラウザベースのSCADAソフトを使用する場合は、一般に図2に示すようなシステムが構成されます。図2で、SCADAソフトの本体は、サーバのパソコンに搭載され、Webの環境下で動作する、Webサーバとしての機能をもっています。すなわち、サーバのパソコンに対しネットワーク上でクライアントの関係にあるパソコンのブラウザからサーバにアクセスすると、ブラウザ上に各種の監視・操作用の画面が表示され、オペレーションを行うことができます。この仕組みは、インターネットでホームページを閲覧する場合と同等といえます。 ブラウザベースのSCADAソフトとしては、現在、いくつかの製品が販売されていますが、代表例としては、BroadWin社のWebAccess(日本での販売元:ネットワークコーポレーション社)が挙げられます。 (2)ブラウザベースのSCADAソフトの特長と注意点 ブラウザベースのSCADAソフトは、上に説明したその仕組みから分かることですが、次のような特長があります。 ● 監視・操作を行うパソコンに特別なソフトを搭載する必要がない。 ● クラインアントの数に制限がない(あえて制限する場合もある)。 ● イントラネットやインターネットなど様々なWeb媒体を利用して、いつでもどこからでもオペレーションが可能(ユビキタス)。また、ブラウザ画面からの遠隔設定やシステムメンテナンスも可能。 一方、Webを利用する観点から、特にインターネット経由でのオペレーションを行う場合には、セキュリティの問題に十分注意を払う必要があります。 ブラウザベースのSCADAソフトは、今後急速に普及すると考えられます。しかし、従来型SCADAソフトにも多くの特長と実績があり、これからは目的と用途に応じて両者が使い分けられる時代になるでしょう。 ■ 【(株)エム・システム技研 商品統括部】 |
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