2003年6月号

ダブルウィンドウとパルス入力ユニットが追加された
PCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2003)

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 エム・システム技研のPCレコーダは、ペーパーレス記録計としてすでに数多くのお客様にご使用いただいていますが、このたび、128チャネルPCレコーダソフト(以下MSR128と略称)の機能向上を行いPCレコーダを使い易くするとともに、ご使用いただけるアプリケーションの範囲を拡大したPCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2003)を発売しました。
 そこで、従来に較べて使い易くなった機能とアプリケーションの範囲を拡大できる入出力ユニットについて、以下にご紹介します。なお、MSRPAC-2003は、PCレコーダシリーズ(形式:R1M-GH2、R1M-J3、R1M-A1、R1M-D1、R1M-P4、R1MS-GH3、R2M-2H3、R2M-2G3、50HR)のいずれかをお買い上げいただくと、製品に必ず添付されています。

1.リアルタイムデータをダブルウィンドウで表示
 記録データをリアルタイムで表示するMSR128のレコード画面をダブルウィンドウにして、2グループを1画面にて表示します。同時に、16ペンデータのプロット表示を実現しました(図1参照)。MSR128では、ダブルウィンドウを使い、従来のレコード画面とオーバービュー画面を組み合わせることによって、同時に2画面を表示します。すなわち、1台のパソコンで、記録計2台分の表示機能を実現しました。
 図2をご参照ください。入力データの高低と時系列を横書きのトレンドグラフに表示する機能を追加しました。データの入力履歴を時系列で監視する場合に有効です。

2.監視画面からのアラーム設定操作
 入力データの監視を行うオーバービュー画面から、ペンのアラーム設定状態の確認と設定変更操作ができる画面の呼出しをワンタッチでできるようにしました。32ペンを同時に表示するオーバービュー画面のペン状態表示部分をマウスクリックすると、ペンのアラーム設定画面が表示されます(図3参照)。この画面を使って、アナログ入力値の上下限アラーム設定値の変更が即座に行えます。また、変更結果を表示・確認することができます。

3.複数ステーションのEthernet接続
 PCレコーダがもつ豊富な入出力ユニットを、ModbusRTU・Modbus/TCPネットワーク変換器(形式:72EM-M4)を介してEthernetに接続し、ネットワーク上からMSR128によってデータを収録できます(ご注意:MSR128は専用のネットワークでご使用いただかないと収録欠落を起こす場合があります)。

4.過去のデータを使って帳票を作成します
 帳票作成支援ソフトウェア(MSRDB2)を使えば、MSR128で収録したデータから日報、月報、年報を作成することができます。MSRPAC-2002の場合は、MSRDB2サーバが動作中のときだけ帳票データの作成が可能でした。しかし、バージョンアップしたMSRDB2では、MSR128によってデータ収録が行われ、ファイルに保存されているデータさえあれば、収録データから日報、月報、年報用のデータベースを作成し、それぞれの帳票を作成することができます。帳票の自動作成が不要な場合に有効です。
 もちろん、帳票形式にてCSVファイルを作成し、表計算ソフトなどを利用してお客様がオリジナルな帳票を作成することもできます。

5.新入出力ユニット
 MSRPAC-2003に含まれるソフトウェアによって利用可能な入出力ユニットが2種類追加されました。まず第1は、完全チャネル間絶縁を実現したPCレコーダ(形式:R1MS-GH3)注)です。厳しい測定環境に対応でき、入力データをMSR128にて高精度に記録します。
 次は、パルスカウンタ、接点入力、接点出力の3種類の入出力チャネルを備えた積算カウンタ付PCレコーダ(形式:R1M-P4)です。図4には、R1M-P4の入出力仕様を挙げています。
 10kHzのパルスをカウントし、停電時にもカウントしたパルス数を保存します。入力パルス数は、MSR128によってパソコンのファイルに保存されます。入力パルスは、パルス・アナログ変換され、1秒間のパルス瞬時値として扱うことができます。

6.R1M-P4使用のアプリケーション例
 R1M-P4はパルスカウント機能と同時に接点入力、接点出力を取り扱うことができます。したがって、このユニット1台で、パルス数をカウントし、入力されたカウント値を監視して設定値になったら、該当する接点信号を出力するという簡単な制御動作も可能です(図5参照)。また、パルス積算値をMSR128で収録し、1時間毎のパルス入力数を演算し、帳票を作成することができます。

お わ り に
 MSRPAC-2003はPCレコーダがご使用いただける設備の範囲を大きく拡げる役割を果たしています。ここでは、その一部をご紹介しました。お客様が必要とされる設備の記録・監視については、何によらずご相談ください。
 お客様のご要望をかなえ、より良い効果を実現いただけるよう、エム・システム技研は今後もPCレコーダ総合支援パッケージの改善・進化を続けて参ります。 ■

注)PCレコーダ(形式:R1MS-GH3)については本誌2003年4月号にて詳細をご紹介しています。よろしくご参照ください。

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