2004年1月号 | ||||||||||
チャートレス記録計システム・PCレコーダ用 チャネル相互間絶縁
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(株)エム・システム技研 開発部 |
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また、2003年夏には、プロセス用監視・記録装置として伝統的なチャート(記録紙)を使用する記録計と置き換えるための新製品として、チャートレス記録計を発売しました注)。このシステムでは、図1に示すチャートレス記録計本体およびPCレコーダ用として開発された入出力ユニットを使用します。 従来のチャートを使用する記録計としては、12チャネル相互間絶縁で直流・熱電対・測温抵抗体を測定できる製品が多数を占めていました。したがって、チャートレス記録計用入力ユニットとしても、同じ仕様が強く求められています。 エム・システム技研では、この状況に対応し、ユニバーサル12点入力ユニット(形式:RZMS-U9)を開発し、近日発売します。 RZMS-U9は、チャートレス記録計システムでご利用いただくことも、付属PCレコーダソフトと組み合わせて汎用パソコンでご利用いただくことも可能です。 本稿では、新しい入力ユニットRZMS-U9の主な仕様と特徴についてご紹介します。
RZMS-U9では、12チャネル相互間絶縁および直流・熱電対・測温抵抗体・ポテンショメータ入力の測定を実現しています。また、ソフトフィルタリング時定数・バーンアウト検出モードは、チャネルごとに設定可能です。もちろんゼロ・スパン調整機能・3線式測温抵抗体測定における不平衡補償機能なども備えています。
アナログ入力部は光リレーマルチプレクサとフローティングADCにより構成され、複数チャネルの光リレーが同時にオンになることは絶対にない回路によって、チャネル相互間の絶縁を確保しています。 50/60Hz電源ラインからのノーマルモードノイズは、AD変換時間を電源ライン周期の整数倍周期とすることにより除去しています。 以上は、記録計入力回路の方式として必ずしも特殊なものではありません。しかし、同様の構成でも他社製記録計の多くは、ノーマルモードノイズが重畳するとADC前置アンプが飽和して測定誤差を生じやすいという問題を有しています。光リレーマルチプレクサ回路の過渡応答に対する配慮から、入力回路のフィルタ時定数を大きくしにくいというのがその原因です。RZMS-U9では、独自の技術によって、過渡応答の高速性と入力回路フィルタの大きな時定数との両立を図り、この問題を解決しています。
また、本製品に続き、給電配線不要なバスパワードUSBモデルもラインナップする予定であり、モバイルユースを検討されているお客様は、ぜひご期待ください。■ 注)PCレコーダとチャートレス記録計システムにつきましては、製品紹介パンフレット( エム・システム技研ホームページhttps://www.m-system.co.jp/でもご紹介しています)をご覧ください。 |
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