2004年2月号

グローバルスタンダードを目指す
日本“発&初”のオープンフィールドネットワーク CC-Link

ご寄稿:CC-Link協会(CLPA) 事務局長  原 田 昭 男 様
 
は じ め に
 エム・システム技研製品のユーザーの皆様および関係者の皆様、こんにちは!
 エム・システム技研殿には、CC-Link協会(略称:CLPA)のパートナー(レギュラー会員)として、日頃からCC-Linkの普及活動にご支援とご協力をいただいており、感謝申しあげます。
 今回、『エムエスツデー』担当の方からのご依頼を受け、日本“発&初”のオープンフィールドネットワークCC-Linkの全世界的な普及を推進する団体であるCLPAの紹介をさせていただきます。皆様の新しいビジネスチャンスの拡大に少しでもお役に立つことができれば幸いです。

1.CC-Linkの位置付けとオープン化
 CC-LinkおよびCC-Link/LTは、図1に示すように、共に工場内ネットワークの最下層であるフィールドネットワークに位置付けされています。そして、CC-Linkは主にデバイスレベルの装置制御用として、CC-Link/LTはセンサ・アクチュエータレベルの機器・I/O制御用として使用されます。
 CC-Linkは、1996年11月に開発メーカーである三菱電機(株)によってリリースされ、マルチベンダー化、すなわちオープン化(セミオープン化)が進められてきました。その結果、2000年9月には対応メーカー:134社、接続製品数:290機種を超えるまでに普及し、日本国内のみならず欧米などの海外からも高い評価を得るまでに伸展しました。
 この機を捉えて、2000年11月1日にCC-Linkのさらなるオープン化(フルオープン化)と普及促進を図るための第三者機関として設立されたのがCLPA(CC-Link Partner Association)です。

2.CLPAの設立と組織
 “オープン性や公共性の向上”を運営・活動方針に掲げるCLPAは、協会会長として関口 隆 横浜国立大学名誉教授をご招聘し、とくに日本・アジアでは大学や公的機関との産官学協同体制を構築しています。
 パートナー会員企業が開発したCC-Link接続製品に対するコンフォーマンステストを神奈川県・産業技術総合研究所(通称:産総研)に委託するなど、オープンネットワークでは日本初となる公設の試験施設におけるテスト体制を確立しています。海外においても同様で、たとえば韓国では大韓電気学会副会長であり、CLPA韓国支部長でもある梁教授が学部長を務める漢陽大学にテストを委託しています。
 CLPAの最高意思決定機関として和泉電気(株)、ウッドヘッドジャパン(株)、(株)コンテック、(株)デジタル、日本電気(株)、松下電工(株)、三菱電機(株)の7社からなる「幹事会」を設置し、その傘下でパートナー会員企業からそれぞれ20数社が参画している「専門部会(マーケティング部会/テクニカル部会)」が活動しています。
 エム・システム技研殿にはマーケティング部会に参画いただき、2か月に1回開催される部会への参加はもちろん、「システムコントロールフェア」や「セミコン・ジャパン」など展示会の企画から当日の説明員にいたるまで大活躍いただいています。
 日々の活動や運営は、幹事会および専門部会の審議・決定に基づき、事務局(本部/海外拠点)が推進しています(図2)。

3.CLPAの活動と伸展
 CLPA設立以来約3年の間、幹事会・専門部会を中心にパートナー会員企業がその志を一つにして精力的な活動を継続して展開し、それぞれの分野で大きな成果を上げてきています(表1)。

4.パートナー会員数
 設立時に134社(うち海外会員8社)であった“パートナー会員数”も、2003年7月で500社の大台を突破しました(図3)。最近は、とくに海外からの会員の入会が多く、2003年9月30日現在では国内会員260社に対し海外会員265社と海外が上回り、グローバル化進展の傾向が一段と顕著になってきています。

5.CC-Link接続製品数
 会員数の増加に伴って、会員企業による製品開発も活発に行われており、CLPAのコンフォーマンステストに合格し発売に至った“CC-Link接続製品数”は、2003年9月30日現在で511機種となりました。オープンネットワークの豊富な製品群の中から最適機種を選択できるというユーザーメリットはますます拡大しています。

6.出荷ノード(製品)数
 パートナー企業から出荷された“累計ノード数(製品数)”も、2003年度には200万の大台を突破できる見込みです。
 日本発のオープンネットワークとして、200万台を超える製品が世界中でユーザーのお役に立っているということは、何とすばらしいことではないでしょうか(図4)。

7.ユーザー採用状況とエム・システム技研殿への期待
 最近の製品出荷数の著しい伸びは、すなわちユーザーでの採用進展の証で、とくに国内外の大手液晶メーカーや自動車メーカーなどには、ロボットなどに代表されるCC-Link製品の納入増加が顕著に表れています。
 また、CLPAでは半導体・液晶製造分野のベンダーのパートナー化と製品開発促進を重点としており、既存のパートナーの中でも中心的存在のエム・システム技研殿には、得意とするアナログ・計装関連製品の拡充を期待しています。

お わ り に
 CLPAは、今までに専門部会を中心に精力的に活動し、「盤内・装置内省配線ネットワークCC-Link/LT」や「送受信データ量を最大8倍としたCC-Link.Ver.2.0」などを次々とリリースし、多様なユーザーニーズに対応してきました。
 今後も、グローバルな技術動向や業界動向を睨みながら、さらにパワーアップした活動を展開して行く予定です。なお、2003年末に出展した「システムコントロールフェア2003」と「セミコン・ジャパン2003」では、世界的動向になりつつある「Safety Networkへの取り組み」についてのプレゼンテーションを実施しました。
 今後とも、CLPAの活動にご期待願うとともに、皆様におかれましても、CC-Linkのワールドワイドな普及に伴うビジネスチャンスを逃さず捉え、企業発展の一助としていただければ幸いです。■
CC-Link協会ホームページ:http://www.cc-link.org/

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