2004年7月号 | ||||||||||||||
屋外設置形変換器6B・UNITシリーズと
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(株)エム・システム技研 開発部 |
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エム・システム技研の現場用・屋外用の機器は、避雷器やM・UNITを収納する屋外ケーシング(形式:BX-W1およびBX-E/S)から始まりました。変換器については、温度センサ用ヘッドに収納できるヘッドマウント形変換器26・UNITおよびフィールドマウント形変換器6・UNITが現場用の一翼を担っていました。 ここ数年では、2線式ユニバーサル温度変換器(形式:B6UおよびB6U-B)、2線式デジタルメータ(形式:43AL-B)、さらに屋外設置形電子機器専用避雷器(MD6シリーズ)を次々に開発して参りました。 その一環として、今回、屋外設置形2線式変換器6B・UNITシリーズを新たに開発しました。屋外設置用ハウジングの材質には、アルミニウムダイカスト製のほかにステンレス鋳物製も用意しました。ステンレス鋳物製ハウジングは、すでに開発済みのB6U-Bや43AL-Bにも適用可能であり、6B・UNITシリーズと併せて簡単にご紹介します。
一方、そこまでの高機能は必要とせず、単純な熱電対変換器や測温抵抗体変換器を屋外の現場に設置したいというご要望も伺っていました。このたび発売した6B・UNITシリーズは、このようなご要望にお応えできるよう、企画・開発した製品です。 6B・UNITシリーズは、B6U-Bおよび43AL-Bと共通の屋外設置用ハウジング(形式:6BX-Eとして別売可能)に、先に記載した6・UNITを収納したものです。その主な仕様を表1に示します。 エム・システム技研の屋内設置形変換器の最高使用温度が一部を除き55℃であるのに対し、先に記載した6・UNITシリーズは、70℃と現場設置を考慮した設計になっています。また、6・UNITに限らず、エム・システム技研の現場設置形変換器は2線式を基本としています。この種の機器が設置される場所では、電源が引けない場合が多いためです。 屋外ハウジングの防塵・防水性能はIP65およびNEMA 4Xです。通常の屋外使用であれば、十分な保護等級といえます。IPコードおよびNEMAの等級の詳細については、本誌2003年7月号および12月号の「計装豆知識」をご参照ください。 電線管接続口は、国内外に幅広く対応できるよう、G1/2、1/2NPT、M20×1.5およびPG13.5の4種類のねじを用意しました。 ハウジング本体の材質はアルミニウムダイカストまたはSCS14ステンレス鋳物です。いずれの場合も、表面にエポキシ樹脂塗装を施しています。通常の環境であれば、アルミダイカスト製で問題ないでしょう。腐食性の雰囲気中や海上施設などで使用される場合は、ステンレス鋳物製を推奨します。
しかし、屋外といっても、周囲の環境条件は様々です。たとえば軒下のように雨がほとんどかからないような場所もあれば、海上油田のようにあらゆる方向から海水を吹き付けられるような場所もあります。一方、屋内であっても腐食性雰囲気の中に設置される場合もあります。 エム・システム技研では、これまで主要部材質がアルミニウムダイカスト製であった6BX-Eに、過酷な環境に対応できるよう主要部材質がステンレス製のものを新たに開発し、仲間に加えました。 このステンレス製ハウジングは、南シナ海の海上油田でB6U-Bを使用したいというユーザーからのご要望を受けて開発しました。したがって、ステンレスの中でも、海水に強いSUS316と同系統のSCS14を本体鋳物に使用しています。海上施設や船舶用設備でも安心してご使用いただけます。 SCS14は、一般的なSUS304とその鋳物であるSCS13と同等以上の耐食性を有していますので、海上以外の耐食性を必要とする現場でも使用できます。たとえば、食品関係の工場では、直接食品材料に接触する機器だけでなく、工場やその施設が薬液殺菌の対象となります。このような場合、ステンレス製のハウジングが大変役立ちます。
今回発売する6B・UNITシリーズでも耐圧防爆の認定取得を予定しています。また、B6U-Bや43AL-Bは、すでに各種の防爆認定を取得済みですが、ステンレス製屋外ハウジング付きについても、同様に手続きを進めています。B6U-Bについては、欧州ATEX指令対応規格および米国FM規格については、すでに防爆認定を取得済みです。また、43AL-Bについても、同規格の認定を申請中です。
エム・システム技研では、現場用・屋外用製品シリーズの拡充を今後も予定しています。関連するご意見、ご要望をお寄せいただければ幸いです。■ |
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