2004年7月号
遠隔監視のアプリケーション No.2

Webロガーのアプリケーション
- マンホールポンプの遠隔監視(その1) -

 今回から、Webロガーのアプリケーション例として、マンホールポンプの遠隔監視を取り上げます。まず、対応機種としてWebロガーの姉妹機種であるFAXロガー(形式:TL2F-S)を適用した例をご紹介します。

マンホールポンプの遠隔監視
 (1)アプリケーションの目的
 下水道設備でのマンホールポンプの役割は、下水をマンホールに集めて、それを汚水ポンプで移送することにあります。設備としては単純ですが、その役割は重要であり、次に挙げる項目を監視して、設備を維持・管理する必要があります。
 1)マンホールの水位
 2)汚水ポンプの運転状況
 3)上記 1)と 2)の履歴
 TL2F-Sは、一般公衆回線やPHS回線を介してこれらの項目を遠隔監視します。
 (2)システム構成
 図1はTL2F-Sを中心とするシステム構成例です。本例では通信媒体として一般公衆回線を使用しています。現場で取り込む信号は、アナログ入力3点(マンホール水位/ポンプ電力×2)、接点入力4点(ポンプ運転信号×2/ポンプトリップ信号×2)とします。一方、管理側の機器はFAX機、電話機(FAX機と兼用も可)、携帯電話など、電子メール受信用の端末です。
 (3)機能とメリット
 1)帳票作成:
 
現場で取り込んだ信号をもとに、過去1時間の最高水位、ポンプの消費電力、運転回数、運転時間などのデータを生成し、それらを規定の様式に編集して日報を作成します。さらに、日報のサマリデータをもとに月報を作成します。これらの帳票データは、内部メモリに蓄積されます。
 2)運転ログ、異常ログ:
 ポンプが起動・停止するたびにその事象(任意のコメントで表現)をタイムスタンプ付きで記録します(運転ログ)。同様に、水位やポンプ電力の上下限警報、ポンプのトリップなどの異常事象が発生した場合にも、それらを記録します(異常ログ)。
 3)FAX通報:
 
1)で作成した帳票を、あらかじめ指定した時刻にFAX機に自動送信して印字します。逆に、任意の時間にFAX機からTL2F-Sに対してダイヤルアップによって指令し、過去および作成途上の帳票を印字させることもできます。また、2)の異常ログが発生した場合には、発生した事象の内容をFAX機へ自動送信して通報することができます(異常通報)。逆に、FAX機からTL2F-Sに対してダイヤルアップによって指令し、運転ログ、異常ログの内容をまとめて印字させることもできます。
 4)メール通報:
 
2)の異常ログが発生した場合、内容を電子メールで通報することができます。
 5)音声通報(オプション機能):
 
2)の異常ログが発生した場合、TL2F-Sは自動的に通報先の電話機にダイヤルアップして、異常の内容を音声で通知します。
 6)音声読み上げ報告(オプション機能):
 
電話機からTL2F-Sへダイヤルアップして所定の操作(プッシュトーン)を行うと、TL2F-Sは、2)のログ内容、およびアナログ入力や接点入力の現在値を音声で読み上げます。
 以上のように、TL2F-Sには、ロガーとしての各種の機能が内蔵されています。したがって、監視側にパソコンなどを含む大がかりな中央監視装置を設置する必要はありません。FAX機や電話機、電子メール端末さえあれば、マンホールポンプ用の高機能な遠隔監視装置を簡単に実現することができます。なお、設備の初期費用および運用費も大幅に削減できます。■

【(株)エム・システム技研 企画室】
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