2004年9月号

デジタル設定形 アナログパルス変換器(形式:MXAP)
およびパルスアナログ変換器(形式:MXPA)

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 エム・システム技研の数あるパルス変換器の中から、今回は「計装用プラグイン形変換器MX・UNITシリーズ」で新しくラインアップに加えたデジタル設定形 アナログパルス変換器(形式:MXAP)およびパルスアナログ変換器(形式:MXPA)をご紹介します。
 今回ご紹介するMXAPとMXPAは、設定時にプログラミングユニット(形式:PU-2A)などの設定器を必要とせず、前面設定パネルの操作だけで、現場でも容易に入力レンジや出力レンジを設定することができます。また、前面パネル表示器で入力値、出力値を容易に確認することもできます。本稿では、主としてアナログパルス変換器(形式:MXAP)の機能、特徴などについてご紹介します。

1.MXAPの機能・特徴
 (1)入力レンジを自由に設定
 デジタル設定形アナログパルス変換器(形式:MXAP)は、入力レンジの選択設定が可能であり、広範囲のアナログ入力信号または各種の入力レンジに柔軟に対応できます。具体的なアナログ入力信号範囲としては、DC-1.00~+1.00V、DC-10.0~+10.0V、DC-30.0~+30.0Vの3種への対応(ただし、設定最小単位はそれぞれ0.01V、0.1V、0.1V)を準備しています。
 DC4~20mAなどのアナログ電流信号を入力される場合は、関連機器として用意している抵抗モジュール(形式:REM)をお使いいただきます。
 (2)出力信号の種類
 MXAPには、幅広いアプリケーションに対応できるように、出力信号に以下に挙げるように多くの種類を取り揃えています。
 オープンコレクタ出力(10kHz)
 電圧パルス出力(10kHz)
 RS422ラインドライバ・パルス(10kHz)
 無接点AC・DCスイッチ(10Hz)
 ( )内は最大出力周波数
 電圧パルス出力については、その振幅DC5~24Vの範囲で1Vごとに自由に設定できます。
 (3)出力レンジを自由に設定
 入力レンジと同様、出力レンジも選択設定可能であり、超低速パルスから高速パルスまで柔軟に対応しています。流量計の出力信号を「単位パルス」に変換する際の面倒な計算を不要にするため、「パルス/min」や「パルス/h」も用意しました。具体的なパルス出力信号は以下のとおりです。
 0~10kHz (10Hzステップ)
 0~1kHz (1Hzステップ)
 0~100Hz (0.1Hzステップ)
 0~10Hz (0.01Hzステップ)
 0~1Hz (0.001Hzステップ)
 0~100mHz(0.1mHzステップ)
 0~10mHz(0.01mHzステップ)
 0~1mHz(0.001mHzステップ)
 0~1000パルス/min(1パルス/minステップ)
 0~100パルス/min(0.1パルス/minステップ)
 0~10パルス/min(0.01パルス/minステップ)
 0~1000パルス/h(1パルス/hステップ)
 0~100パルス/h(0.1パルス/hステップ)
 0~10パルス/h(0.01パルス/hステップ)
 (4)ループテスト出力
 MXAPの出力端子に接続している機器の動作をテストしたい場合や、システム立ち上げ時の確認などのために、入力信号とは無関係に、出力信号を前面パネルでモニタしながら模擬出力することが可能です。これをループテスト出力機能として実現しました。
 (5)出力パルス幅設定
 MXAPでは、出力パルス幅を自由に設定できます。パルス幅の設定が不必要な場合は、「デューティ比約50%」をご使用いただけます。設定できる具体的な出力パルス幅は以下のとおりです。
 1~1000ms (1msステップ)
 1~10s (1sステップ)
 デューティ比約50%
 (ただし、10kHzレンジおよび1kHzレン
ジの一部は「デューティ比50%」だけが使用可能)
 (6)ドロップアウト機能
 大口径の流量計などは流量が0の状態でも微少な信号を出力することがあります。MXAPでは、この場合にパルスが出力されることを防ぐために、ドロップアウト機能をご用意しました。設定値(設定範囲:0.3~100%)以下の出力を0Hz(出力なし)にクランプし、パルスを出力させないようにすることが可能です。
 (7)出力パルス数をカウント表示
 MXAPは、出力パルス数をカウント表示することが可能です。カウント値を確認することにより、流量信号の場合は積算流量を計測することができます。
 カウント値は「0~99999999カウント」の範囲で確認することが可能です。カウント値を「0」にリセットする機能として、DATA▲▼を押す手動リセット以外に、設定した時間が経過すると、自動的にリセットする自動リセット機能も用意しています。
 (8)各種のランプ表示
 MXAPでは、次のとおり各種の状態をランプで表示するため、状態が一目で確認できます(図2参照)。
 PL1:表示内容が負極性時点灯
 PL2:設定異常時点灯
 PL3:ドロップアウト時点灯
 PL4:出力に応じて点滅(ただし30Hz以上は点灯)
 (9)CE規格、各種供給電源に対応
 供給電源としては、次の3種類に対応可能です。
 交流電源: AC100~240V
 直流電源: DC12~24V、DC110V

2.MXPAの機能・特徴
 現在開発中のパルスアナログ変換器(形式:MXPA)について、機能の一部を以下に列挙します。
 1. 入力、出力レンジを自由に設定可能
 2. 入力周波数を表示
 3. 流量係数補正用リニアライズ機能付
 4. センサ用電源内蔵
 5. ループテスト機能付
 6. CE規格、各種供給電源に対応

お わ り に
 デジタル設定形 アナログパルス変換器(形式:MXAP)およびパルスアナログ変換器(形式:MXPA)は、わかりやすく使いやすい操作性を目指しています。しかし、まだ十分ではないと考えています。今後とも、多くのお客様のご意見、ご要望を反映させ、操作性や機能の向上を目指して努力しますので、よろしくお願いします。■
 
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